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米WatchGuard、VPNの設定を簡素化するソフトウェアを発表

2000年11月08日 23時34分更新

文● 編集部 佐々木千之

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米WatchGuard Technologies社は8日、同社のVPN(※1)機能搭載ファイアーウォール装置『WatchGuard Firebox』シリーズの管理ソフトウェア『VPN Manager 2.0』を発表した。このソフトウェアには複雑なVPN関係の設定作業を、簡素化する“Instant VPN”技術が組み込まれている。ライセンス価格は17万8000円(機器の総数4台まで)から。

※1 Virtual Private Network:インターネットを介して2地点のローカル・エリア・ネットワークを接続する技術で、インターネット上でやりとりするデータを暗号化し、データの秘匿性、安全性を確保する。専用線で接続するのに比べて、コストが安いというメリットがある。

また同時に、同社製品のユーザーに向け、セキュリティー情報を提供する有料サービス“LiveSecurityサービス”を拡充した。購読者の環境に合わせて購読内容をパーソナライズ化できるようにしたほか、同社製品のライセンスの購入が行なえるようになったとしている。

アジア・太平洋地域マネージャーのジョン・カーチ氏WatchGuard社アジア・太平洋地域マネージャーのジョン・カーチ(John Kirch)氏

同社によると、VPN環境を設定するには、VPNに参加するネットワークとインターネットの接点に設置するルーターすべての設定が必要。従来は、ある一方の設定を行ない、その設定パラメーターを控えておき、対抗する側で、また同じパラメーターで設定する必要があり、またその設定自体にも詳細なネットワークに関する知識が必要とされていたという。これに対して、VPN Manager 2.0を利用すると、1)VPN接続したい2台のFireboxをプルダウンメニューから選択する、2)セキュリティーのレベル(暗号化レベル)を選択する、3)生成される設定情報を2つのFireboxに送信する、という3つの手順で完了するとしている。設定の簡素化による時間の節約の他、VPN接続を常時監視する機能も提供する。

WatchGuard社即時対応チーム・ディレクター、スティーブ・ファリン氏

発表会で製品について説明した、同社の即時対応チーム・ディレクター、スティーブ・ファリン(Steve Fallin)氏によると「米国においてVPNの普及は進んでいる。かつてはインターネットを経由すると速度が遅くなるために、専用線を引く意味もあったが、ネットワークインフラが整備されたおかげでコストが下がり、スピードは向上した。シアトル、デンバー、ニューヨークにオフィスがある企業がそれらのオフィス間を専用線で接続する費用は年間6万ドル(約650万円)だが、それらをVPNに変更すると年間1万3000ドル(約140万円)の通信費で済む」という。さらに日本の事情についても「セキュリティー上の不安からVPNを敬遠する傾向があるが、日本企業において、通信費が収益を妨げる要素となっている。世界市場でビジネスを行なうにはコストを下げる必要があり、それにはVPNの利用が有効だ」と指摘した。

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