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【東京モーターショー2000 Vol.3】各社が画像処理による周辺監視システムを展示

2000年10月31日 22時48分更新

文● 編集部 佐々木千之

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31日に開幕した東京モーターショーで、クルマにおける情報処理システムの展示を追ってみた。ETC(自動料金収受システム)や近接レーダーシステムなど、ほぼ実用化されている技術の展示が多かったが、(株)東芝や日本電気(株)が開発中の画像処理システムを展示していたのが目を引いた。

東芝や日本電気が展示していたのは、CCDカメラからの画像をコンピューターに処理させて、道路の白線や周辺車両を検知するというシステム。現在は研究開発段階だが、将来の応用としては日本電気が前方近接レーダーと組み合わせた半自動運転システム、東芝が後方カメラからの映像を使った追い越し車両警告システムなどをあげていた。

日本電気が展示していた、画像処理システムの画面。CCDカメラからの映像を処理し、白線と近くの車両を検出している。少し見づらいが、検出した白線には赤い線、車両には緑の線で四角い枠が表示されている
日本電気がクルマ向けに開発中の画像処理プロセッサー
東芝が製品かを完了したという、後側方監視システムのパネル。最近ワンボックスカーなどでバックの際に利用するCCDカメラを積んだものが増えてきているが、その映像を利用して、後ろから追い越しをかけてくる車両を検知して、運転者に警告するというシステム
追い越し警告システムのメイン基板。上のパネルの黄色い部分をワンチップ化したものが搭載されている
こちらは東芝が開発中という、カメラを2台使った障害物検出/衝突警告システム。通常ステレオ式の画像認識では、2つの画像のどの部分が一致する部分かを検出するのが非常に重い処理となってしまうが、このシステムではその処理を回避することによって、システム価格を抑えられるという。技術的詳細については明かされなかったが、ステレオ方式で必要な精密なキャリブレーションも不要になるとのことだった
これは松下電工(株)が展示していた、赤外線センサーを使った盗難防止システムの試作品。右側に台形にすこし飛び出している部分が赤外線センサー。単に温度に反応するのではなく、温度差に反応して警告音を発する。大きさは直径10cmほど
(株)東海理化の電波をつかったロックシステム。ボタンを押して施錠・解錠するものは広く利用されているが、このシステムではそれを自動化し、クルマから離れると施錠され、近づくと解錠されるというモードを備えている。ドア側から常に発せられている電波信号をキー側が受信すると、キーから解錠信号が送られる仕組み
こちらも東海理化のシステムで、ハンドル近くに付けられたマイクに向かって「ワイパー」や「ロービーム」などと発声すると、ワイパーが動いたりライトがつく仕組み。トヨタ自動車(株)の『ラウム』に採用されたシステムで音声認識部分は東海理化が独自に開発したものという
松下電器産業(株)が展示していた、SDカードスロット搭載の車載用8インチマルチメディアディスプレー。ビデオなどの表示ができるのは当然だが、右下のスロットにSDカードを差し込み、デジタルカメラなどで記録された静止画を表示することができる。12月に16万8000円で発売予定。今回はカーステレオなどのオーディオ製品展示はほとんど見られなかったため、SDカードが搭載された製品はこれだけだった

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