ICANN(※1)は10月3日(現地時間)、2日までにまとめた新しいTop Level Domain(以下TLD)のリストとその出願者を公開した。
※1 ICANN:Internet Corporation for Assigned Names and Numbers。グローバルに、ドメイン名やIPアドレスなどのインターネット資源の管理調整を行なう非営利法人。米国に本拠を置いている新しいTLDは、現在利用されている「.com」「.net」「.org」のドメイン名で、意味をなす文字列の取得が困難になってきたことから、新たに設けることが検討されているもの。来年からの運用が予定されている。
.bizを5社が出願
出願された新TLDの希望は、全部で184種類にも上る。希望が多かったTLDを見ると、トップの「.biz」が5社、「.kids」「.tel」がそれぞれ4社、以下は表のようになっている。
Top Level Domain | 出願件数 |
---|---|
.biz | 5 |
.kids | 4 |
.tel | 4 |
.inc | 3 |
.info | 3 |
.nom | 3 |
.shop | 3 |
.site | 3 |
.web | 3 |
.xxx | 3 |
.air | 2 |
.ebiz | 2 |
.firm | 2 |
.news | 2 |
.now | 2 |
.nyc | 2 |
.one | 2 |
.pro | 2 |
.sex | 2 |
.travel | 2 |
.wap | 2 |
出願会社によって微妙に意図は異なるが、.bizはビジネス用途、.kidsが子供向けのコンテンツ、.telが通信会社や番号案内で利用することを考えて出願されている。
日本からはKDDIグループが「.biz」と「.home」の取り扱いで出願を行なった。そのほか、(株)国際調達情報とインターキュー(株)が所属する、世界のレジストラー19社で作ったコンソーシアム「Afilias」が、「.info」「.site」「.web」の3つの希望を出した。
何が採用されるかは11月に見える?
今回、出願された新TLDがすべて採用されるのかというと、そうでない。ICANNは世界各地で定期的に会議を行なっており、ドラフトの提示、意見の募集を経て、会議で決議が行なわれる仕組みになっている。
前回の開催は、日本・横浜で7月13日~17日の期間行なわれた。次回は11月13日~17日に、世界一ともいわれるヨットハーバーがある米国・Marina del Reyで開催が予定されている。そこで新TLDについて決定されるか、もし決定が出なかった場合でも明確な方向性が示されるものと思われる。
全世界の動きとしてこの新TLDがあるが、日本ではもう1つ、「汎用JPドメイン」もある。こちらは10月10日にスケジュールなどの詳細がJPNICから示される予定だ。ドメイン名を利用する側としてはどちらの動きからも目が離せない。