(株)神戸製鋼所は12日、日本電信電話(株)(NTT)と共同で開発したカードサイズのシリコンオーディオ機器『SolidAudio対応プレーヤ』を商品化、OEM販売を開始すると発表した。SolidAudio対応プレーヤーは、フラッシュメモリに圧縮したサウンドデータを記録、再生するオーディオ機器。NTTが開発した圧縮技術“TwinVQ”と、両社が提唱する著作権保護システム“InfoBind”を使用している。駆動部分がないことに加え、厚さ数mmのリチウムポリマー電池を採用したことでプレーヤーの厚さが10mm(突起部分を除く)、重さが55gと非常に軽量・コンパクトなのが特徴。なお、SolidAudioプレーヤ自体はすでに昨年年7月に発表済み
サイズは幅86×奥行き54×高さ10mm。曲名データの記録・表示もできる。手前はスマートメディアのイジェクトレバー、液晶パネル下は送り/戻しスイッチ。なお、デザインは実際の商品と若干異なる可能性がある |
スマートメディアは8~128MBに対応。128MBメディアを使えばロングプレーで最長800分、ハイクオリティでも200分の記録ができる |
OEM販売を行なうのはメモリを中心にパソコン周辺機器を扱う(株)ハギワラシスコム。7月に同社からの発売が予定されているが、新しいブランド名になるのかどうかは現時点では不明。今後ハギワラ側からのアナウンスがある模様だ。予定価格は3万円前後。パソコンショップのほか、NTTのオンラインショップ“gooショップ”での通信販売も計画されている。年内で4万台の販売が目標。
厚さ10mmという薄型は逆にスイッチ類の強度が気になるほど。手前が出力ジャック、左側が再生や早送りなどの操作系スイッチ、右側がベースやトレブルの音質調整スイッチ |
実際の製品はリピートや早送り、高速選局機能、バス/トレブルスイッチが搭載されるほか、WindowsとMacintosh用のエンコード(アナログソース
-> TwinVQ)ソフトが提供される。記録用のスマートメディアは8~128MBを使用可能で、再生モードはサンプリング周波数44kHzのハイクオリティと22kHzのスタンダード、11kHzのロングプレーの3種類。16MBのメディアを使った場合、順に25分、50分、100分の再生が可能になる。当然ながらInfoBindによるコピープロテクトがかかる。この分野ではMP3プレーヤーが先行しているが、今回OEM販売されるプレーヤーのコアロジックはDSPでデザインされているため、技術的には(ファームウェア次第で)MP3のデコードや、MP3とTwinVQというマルチデコードも可能になるという。
MDとのサイズ比較。MDプレーヤーと比較するとさらにサイズの違いが明白になる |
発表会では、実際にプレーヤーのサウンドが再生されたほか、今後はネットワーク経由でのオーディオ配信ビジネスも視野に入れていること、さらなるSolidAudioのコア技術のライセンスもありうること、またプレーヤーに対するOEMの打診も数社からあり、今後別ブランドから販売される可能性もあることなどが明らかにされた。