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米マイクロソフト、『PocketPC』を発表

2000年04月20日 00時00分更新

文● 編集部 小林久

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米マイクロソフト社は、19日(現地時間)、Windows CEをベースにした携帯情報端末『Pocket PC』を発表した。コードネーム“Rapier”と呼ばれてきた製品。Pocket PCは、ペン操作を中心とした携帯情報端末(PDA)で、マイクロソフトは、OSのほかに、PIMやブラウザーなどのアプリケーションや独自のシェルといった基本的な環境を提供する。また、今回の発表に合わせ、米コンパックコンピュータ社、米ヒューレット・パッカード社、米カシオ社、米Symbol Technologies社の4社が対応デバイスを発表しており、米国市場向けに順次出荷する。

米マイクロソフトが発表した『Pocket PC』の画面。コードネーム“Rapier”は、フェンシングなどで使う細身の剣を意味する

Pocket PCは、従来パームサイズPCと呼ばれてきたWindows CE端末の名称が変更されたもので、コアとなるOSは、タスク管理やカーネル速度が改良された新バージョンの『Windows CE3.0』。このほか、対応アプリケーションの強化やインターフェースの改良など、大幅な変更が加えられている。

なお、キーボードを搭載し、ノートPCに似た形状のCEマシン(ハンドヘルドPC)用のCE環境には、すでにバージョン番号が3.0のもの(H/PC Pro3.0)が存在するが、これは第3世代のハンドヘルドPCという意味で、OSのバージョンではない。コアとなるOSはWindows CE2.11で、カーネルは、Pocket PCより古い世代のものとなっている。

今回の改良点としては、インターフェースと標準アプリケーションの強化が挙げられる。前者では、従来のダブルタップ中心の操作系がよりシンプルなシングルタップ中心に変更された点、メニューを下側に配置し、操作時に手が画面を隠してしまわないようにした点などが挙げられる。また、ファイルエクスプローラの標準装備やUSB経由でのPCとの同期など、使い勝手を高める特徴が数多く盛り込まれている。

一方、後者に関しては、予定表/ToDo/住所録といった機能を持つ『Pocket Outlook』にカスタマイズ機能が加わった。また、HTML3.2に準拠し、JavaScript/SSL/XMLに対応したインターネットブラウザ『Pocket Internet Explorer』、PC上で作成したWord/Excel文書の編集/閲覧が可能な『Pocket Word/Excel』、Windows Media AudioとMP3ファイルの再生が可能な『Windows Media Player』、電子ブックリーダーの『Microsoft Reader』、財務管理ソフトの『Microsoft Money for Pocket PC』、地図ソフトの『Pocket Street』といった新アプリケーションが多数追加されている。

『Pocket Internet Explorer』は、HTML3.2に準拠し、JavaScriptやフレームに対応。また、PocketPCの小さな画面に合わせ、Webコンテンツを縮小して表示する機能なども持っている
『Windows Media Player』は、WMA(Windows Media Audio)、MP3の再生に対応。Pocket PCを携帯型の音楽プレーヤーとして使用することも可能だ

なお、Pocket PCの国内販売に関しては、カシオ計算機が「日本語版OSが登場次第、新製品を発表する」とした以外は、各社とも未定。

対応デバイスは、米カシオ、米コンパックコンピュータ、米ヒューレット・パッカード、米Symbolが発売する予定。写真はカシオの『EM-500』
米コンパックコンピュータの『iPAQ Pocket PC』。CPUは米インテル社のStrongARM1110-206MHzを採用

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