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Windows 2000 Conference & Expo レポート: Windows 2000 Launch Eventのすべて

2000年02月23日 14時54分更新

文● 吉川大郎

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プレゼンテーション写真
SQL Server 2000とWindows 2000の組み合わせが、SAPから信頼を得たことを語るGates氏

 さらに話題はWindows 2000 Serverに移る。Active Directoryを例に挙げ、Kerberos認証や公開鍵といったセキュリティのテクノロジーにとって、Windows 2000 Serverが最適であることを述べた。また、QoS(Quality of Service)のポリシーを簡単にセッティングできる点にも触れた。各種プロトコルのセキュリティ対応、クラスタリングによる信頼性の向上なども同時にアピールしている。そしてもうひとつ重要なキーポイントとして、パフォーマンスの向上についても説明した。これは、Windows 2000 Serverが8プロセッサから16、32プロセッサマシンまで対応していることを引きあいに出しての説明だ。さらに、こうしたパフォーマンス向上を実証するため、「SAP SD Benchmark」の結果を公開した。それによると、Windows NT Server 4.0とSQL Server 7.0では4500ユーザーだったものを、Windows 2000 ServerとSQL Server 2000では、6700ユーザーまで対応可能なことを確認したという。

 続いてMicrosoftのIT Professional Marketing Groupe General Manager Rich Kaplan氏が登場し、Active Directoryにおけるグループポリシーなどのデモンストレーションに移った。Active Directoryのグループポリシーを使ってWebベースのコンテンツ管理をしている、「FileNET」という会社のデモンストレーションである。

 まず、セールス担当のAaron YangとしてWebアプリケーションにログオン。すると、画面にはドキュメントや契約文書、セールスの企画書、さまざまなビデオなどが並んでいる。Active Directoryで管理されたグループポリシーにより、彼に許可されたファイルのみが見えている形だ。その中からグラフをクリックすると、DHTMLによるグラフが表示された。ただ、ここではグループポリシーにより閲覧しか許可されていないため、編集は不可となっている。そして、ビデオをクリックすると、グループポリシーによって割り当てられたバンド幅によってビデオが再生されるといったデモンストレーションも行なわれた。

ここでは、

  • ユーザーのロール(役割り)ごとにカスタマイズされたコンテンツ表示
  • ユーザーごとに設定された閲覧/編集の可不可
  • ビデオ再生などの際における、ユーザーごとのバンド幅設定が可能

といった点がデモンストレーションされた。

 さらにActive Directoryの管理のしやすさにも触れ、グループアイコンを右クリックして所属ユーザーを変更、さらにプロパティを変更してグループポリシーも変更できることを語った。こうしてグループ(やグループポリシー)を変更すると、たとえば日本語によるメニュー表示が可能になったり、先ほど編集できなかったファイルが編集できるようになったりする。さらに、先ほどはパフォーマンスの悪かったビデオ再生も、QoSを設定しなおしたためにバンド幅を多く使ってストレスのない再生となった。

Windows 2000 Data Center Server

 プレゼンテーションはWindows 20000 Data Center Serverに移った。ここではまず、Windows 2000 Data Center Server(ベータ版)をインストールした米Unisysの16プロセッサPCサーバ「Unisys ES-7000」が紹介された。これはメインフレーム級のマシンであり、今年中に32プロセッサモデルも登場するという。デモンストレーションの想定事例は、全世界を対象とした、航空機の航路検索システムだ。会場のスクリーンには、Windows 2000 Data Center Serverのパフォーマンスモニタが映されているのだが、現在稼動しているCPUがいずれもフル稼働している状態に、ツール「Job Object Manager」を使って4プロセッサを追加し、パフォーマンスの改善が図られるデモが行なわれた。ここで、4プロセッサを投入(追加)すれば、Job Object Managerが正しく各CPUに不可分散すること、その作業をダイアログボックスのチェックをオンにすることだけで行なえるということがデモンストレーションされた。

 次にGates氏が登場。まず、Windows NT Server 4.0とSQL Server 7.0の組み合わせが、いかにコストパフォーマンスがよいかについて語った。そして、(その上をいく)Windows 2000は、シングルシステムのWindows NTに比べて20%の処理速度の向上があったことや、8プロセッサマシンでは5万トランザクション/秒の性能を出せることなどを語った。

 次にWindows 2000 ServerとSQL Server 7.0(8ノード)のシステムのベンチマーク結果を挙げ、Sun MicrosystemsのSolaris上で動作するOracle 8iよりも高いコストパフォーマンスを示したことを報告した。このシステムは、15万トランザクション/秒のパフォーマンスだという。ここで、会場はかなりの拍手の渦となり、嬌声が飛び交った。さらに同氏は、12ノードを使用したシステムの結果もスクリーンに映し出した。これは当然、先ほどの8ノードのシステムよりも順位が上となって、1位が12ノードのシステム、2位が8ノードのシステムという結果が映し出された。

Windows 2000 ServerとSQL Server 2000ベンチマーク結果写真
Windows 2000 ServerとSQL Server 2000が、高い(No.1の)コストパフォーマンスを示している

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