米Ziff Davis社のニュースメディア『PC WEEK/USA』は、米国時間1月15日付けの記事で、米Comapq Computer社が、Linuxサーバーの出荷とサポートの準備を進めていると報じた。それによると、Compaqは、Linuxディストリビューションの最大手であるRed Hat Software社と提携し、Red Hat Linux Ver.5.2をプレインストールしたPCサーバーを2月に発売する計画を持っている、という。そして、Compaq自身が、Linux塔載サーバーに対して24時間のサポートサービスを提供する、としている。
この報道内容をコンパックコンピュータ(株)の広報に確認したところ、「米国でのLinuxインストールの予定はないし、検討もしてない。もちろん、日本でもその予定はない。米国では、代理店を通して、Linuxをインストールしたマシンを販売していることはあるが、それはあくまでも代理店が代理店の責任として提供しているサービス。なお、日本ではそういった代理店の例は聞いていない。コンパックとしては、Windows NT、NetWare、SCO UNIXしかサポートしてない」という回答を得た。
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すでに既報の通り、日本HPがLinuxのサポートを決定し、日本オラクルはLinux版Oracle8を発表するなど、大手メーカーのLinux対応の動きが相次いでいる。そんな中でのニュースだけに、元ネタの信憑性はともかく、ユーザーとしては「(事実であると)信じたい」という気持ちも強くなろうというもの。状況を冷静に分析すると、確かにCompaqがLinuxのサポートをしたとしてもおかしくないが、しかしコンパックは、x86版UNIXに関してはSCOと緊密な関係にあるので、それを一方的に破ってまでLinuxを採用するとも思えない。むしろ可能性があるとすれば、買収したDECの“Alphaプロセッサ塔載PC”でのLinuxサポートだろう。現在はAlpha版のWindows NTをサポートしてはいるが、それだけでは市場が小さすぎる。映画『タイタニック』のCG製作で利用されたように、高速な計算サーバーとしてAlphaマシンを利用するなら、OSにLinuxという選択もかなり現実味を持ってくる。
と思って、米Compaq社のWebを“Linux”というキーワードで検索してみたら、「RAIDコントローラ『Compaq Smart-2 PCI Disk Arrye』に対応したLinux用デバイスドライバのプロトタイプをリリース」というニュースリリースが引っかかった(1998年12月11日付)。このドライバは、Compaqからのサポートは受けられないが、GNU GPL2に従って無償配布される。ユーザーは、このドライバを使うことで、コンパック製のRAIDコントローラカードをLinuxで利用できるようになる。コンパックが、この製品にだけLinux版のドライバを提供する理由は不明だが、同社がLinuxに全然関係がない、というわけでもないようだ。(K)