スマートフォン、選ぶならどれ?
前編ではスマートフォンの基礎知識について触れたが、後編では選び方と筆者オススメの機種を取り上げた。ぜひ購入の際の参考にしていただければ幸いだ。
今回は、スマートフォンの特徴をさらに詳しく見ていこう。スマートフォンと一括りに呼んでいるが、実際は各機種ごとに様々な特徴がある。本稿ではそのうち、使い勝手の点で重要な要素となるキーボードや解像度などについて詳しく触れている。
それを参考にして本稿後半のオススメ機種の紹介ページを読んでいただき、自分にあった1台を見つけるための参考としてほしい。
入力:メールをたくさんやりとりするなら、フルキーボードは必須
スマートフォンの入力方法は、タッチパネル、ソフトウェアキーボード(ソフトキー)、キーボードの3種類。
タッチパネルでは、スタイラスや指で画面をつついたりこすったりして、アイコンを選択したり、ファイルを移動させたりする。ソフトウェアキーボードとは、画面上に表示されるキーボードのこと。表示を切り替えることで、アルファベット、かな、携帯電話のようなテンキー、手書き入力などが可能となる。画面の文字を指やスタイラスでタッチして、入力していく方法だ。タッチパネルとソフトウェアキーボードは、ほとんどのスマートフォンで利用可能だ。
キーボードは機種により、携帯電話のようなテンキー、スライド式のフルキーボード、またはその両方を搭載しているものがある。ソフトウェアキーボードは画面の一定面積を占有してしまうため、編集エリアが狭くなってしまうが、キーボード搭載機種ならその心配はない。また、キーボードはソフトウェアキーボードよりも押した感じがしっかりしていて打ち損じなどが少なくなる。仕事でスマートフォンを利用するなら、キーボードを搭載した機種を選択した方がいいだろう。
フルキーボードが付いた機種を選ぶべきかどうかは、スマートフォンの用途次第だ。出先でメールやその添付ファイルをチェックして、「確認しました」などの簡単なメールを返すだけなら、薄さや小ささ、持ちやすさを優先して、テンキーだけの機種を選択する考えもありだ。たとえば、イー・モバイルのS12HTは、キーボードはテンキーのみだが、ケータイ方式の入力は可能だし、予測変換もあるので、使い慣れた感覚で文章を打ち込むことが可能だ。
取引先に長文のメールを出したい、WordやExcel文書を出先などで編集したいなど、軽量なノートパソコン的な活躍をスマートフォンに期待しているなら、フルキーボードを搭載した機種の中から選択しよう。
キーボードを選ぶ際のポイントは、キーのサイズやキーピッチ。小さい機種も魅力的だが、横にしてキーボードを使って入力する場合、小さすぎると窮屈で打ちづらいと感じることがある。できる限り店頭で実機に触って自分の手との相性を確かめよう。
また、重量感やキーの打ちやすさなどを優先してあえて1世代前の機種を選択する、というのもひとつの考え方だ。例えば、イー・モバイルなら新しいS22HTよりも、S11HTのほうが重量感があって使いやすい人もいるだろう。ウィルコム端末の場合は、Advanced/W-ZERO3[es]のほうが、WILLCOM 03よりスライド式キーボードの横幅が広くて持ちやすいしテンキーも打ちやすい、という人もいるだろう。
画面サイズ:ウェブブラウザーの利用を中心に考えるなら解像度は要チェック
スマートフォンの画面解像度は、QVGA(320×240ドット)、VGA(640×480ドット)、WVGA(800×480ドット)など。ウェブブラウザーでの閲覧を主な利用シーンに考えているなら、解像度はなるべくより精細な表示ができる機種を選んだ方が、なめらかで見やすい。もちろん、解像度とあわせて、画面サイズにも気を配りたいところ。この大きさのスマートフォンになると、わずかな液晶ディスプレーの大きさの差でも、操作しやすさや目の疲れ具合に影響することもある。
店頭でチェックする際は、解像度と画面サイズの2点に気をつけて画面の見え方を確認しよう。
液晶画面のスペックでは、現状、WILLCOM 03のWVGA3型ワイド液晶が最もバランスがとれていると筆者は考える。しかし、動画ファイルを持ち歩いて外で見るといった使い方ならともかく、ウェブブラウザーでの利用を考えると、通信速度の快適さも考慮に入れたいところ。高速データ通信がケータイ電波でも可能な点を勘案するなら、VGA画面のX04HT/X05HTやS21HTあたりが落とし所と言えるかもしれない。
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