待ちに待ったニコンの高画素モデル「D3X」が2008年12月19日に発売になりました。この日をもってやっとニコンはフラッグシップ機に於いてもキヤノンにやっと追いついたことになります。そこでニコンD3Xを高画素モデルの大先輩キヤノン「EOS-1Ds Mark III」と撮り比べ、その実態にせまってみたいと思います。
補足事項: 今回のサンプル画像は、D3X、EOS-1Ds Mark IIIともにデフォルト設定で撮影しています。周辺減光/倍率色収差の補正に関しては、D3Xはオン(標準)、EOS-1Ds Mark IIIは非搭載となっています。EOS-1Ds Mark IIIは、同社のRAW現像ソフト「Digital Photo Professional」を利用することで、周辺減光の補正が可能ですが、今回はJPEG撮影時の画質のみを比較しています。(1月5日)
フルサイズ機の魅力、広角撮影チェック
フルサイズカメラの醍醐味の一つに、広角レンズの広い画角をいかした絵作りがあります。とくに高画素モデルで風景をメインにするユーザーは気になるところでしょう。そこで今回は、D3Xに「AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G ED」を、EOS-1Ds Mark IIIには「EF16-35mm F2.8L II USM」を装着してテストしてみました。
まず見ていただきたいのが、画像の全体写真です。
撮影は両者ともにJPEGスタンダードを使い、露出はマニュアルモードで、シャッター速度1/2000秒、絞りF2.8、焦点距離16mmにセットしています。
いわゆる「撮って出し」という画像です。このようなテストをするにはいくつかの理由がありますが、その一つにキヤノンユーザーから、常々「ニコンはマウントが小さいからフルサイズ機が作れなくてかわいそう」とか、「もし、フルサイズ機ができても画像周辺の減光が大きいだろうね」などと言われ、それはもう辛酸をなめるような悔しい思いをしたからです。
それも何年もの間、言われ続けてきたことです。
さて両者の画像を見てみましょう。画像を見るかぎりD3Xの画像の方が周辺減光も少なくクリアな画像に見えます。一方EOS-1Ds Mark IIIは、四隅が暗く発色もいまひとつで濁りを感じさせます。
どうやら「もし、フルサイズ機ができても画像周辺の減光が大きいだろうね」という辛辣なお言葉は、あてはまらないようです。
