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1日10分で儲ける FX攻略法!

2008年12月15日 22時38分更新

文● 企画報道編集部

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 12月22日、アスキー・メディアワークスより「1日10分で儲ける FX攻略法!」(石川雅弘 著 定価1680円(本体1600円)が発売される。

 ASCII.jp マネー/FXでは、著者の為替アナリスト 石川雅弘氏にインタビューを行なった。

――そもそもこの本は、どういう方に向けて書かれた本なのですか?

 私はもともと、プロの銀行ディーラーでした。為替というのは、大きく分けて「テクニカル分析派」と「ファンダメンタルズ分析派」の2つの見方があると思いますが、銀行のディーラーはどちらかだけということはなくて、両方見ます。両方分かって当たり前なんです。そして、仕事のほとんどの時間は為替を見ることに費やされます。

 ここ数年で、FXは本当に盛んになりました。私は1985年から23年間為替をやっていますが、たとえばブログを見ていると、為替歴3年や7年の方が大勢いて、本もたくさん出されています。ただ、そういう「勝ちました」という人はセンスはいいかもしれないし、一年で数千万円稼いだかもしれませんが、誰もが同じようには稼げません。他人の成功話を他人事として聞くのであれば、面白いしいいと思います。しかし、100人のうち98人は儲けられないでしょう。

 そして、これらの本の傾向を見ていると、かなりの比率でデイトレをしよう、ということになっているんですね。

 デイトレをするということは、仕事の片手間では本来できないことなので、たとえばサラリーマンのアプローチとしてしては正しくない。この本は、サラリーマンでもできるトレード方法を提示しています。

 為替市場は株と同じで、上昇相場であっても上下動を繰り返しながら上がっていく。下がる時はどっと下がります。デイトレは、そういう上下動の中で少しずつ利ざやを取るわけですが、それは時間もかけないといけないし、疲れますよね。

 要領よくやるのであれば、大きな動きをしっかりとろうとしたほうがいい。じーっと画面を見ていたら、一日何時間あっても足りません。そこで鈎足を使いましょう、というのが本書のねらいです。東京、欧州、アメリカの3市場の引け値だけをチェックして、鈎足を作ればトレンドが読みやすくなるのです。

 取り引きのスパンは、1日、2日よりも長めです。為替で、本当に大きな動きというと10円や15円の幅がありますが、そういうことは滅多にありません。この本では四半期に1回くらい起こる中相場程度を狙っていきます。2、3日でとる方法ではありません。

 また、為替だけで生活を維持する夢をみるのはおかしいよね、という観点もあります。正しく資産運用するためには、資金を為替に全部置くのはダメだし、反対に全部銀行に置くのもダメですよね? ミックスすべきで、為替だけを見ているわけにはいきませんから。

――鈎足チャートの特長を、もう少し詳しく教えてください。

 チャートというと、ほとんどのものに時間の概念が入っています。ローソク足であれば、5分足、30分足という形ですね。でも、鈎足は時間の概念が存在しません。時間の概念が存在しないチャートの場合は、時間を追った作業が必要ないので、チャートの作成自体が楽です。相場の動きを見る場合でも、時間とは関係なく、鈎足が「どう動いたら取り引きするか?」というところに焦点を絞っていればいいのです。

 本書にはさらに、裁量の余地も残してあります。

――裁量の余地が残してあるということは、どういうことですか? 素人ですと、裁量というのもなかなか難しいものかと思いますが。

 たとえば逆指し値のオーダーに、個々の裁量を取り入れられるようにしています。皆さん、「逆指し値(ストップ・ロス・オーダー)」は損失の確定と理解しがちですが、そうでもないのです。

 たとえば現在USD/JPYが92.8円だとして、ドルが上がると思って買いを入れている場合を想定しましょう。円高になった場合に損失をミニマムにおさえるために、92.3に逆指し値を置いている状況だとしましょう。本当にうまいやり方というのは、92.8円で買って、その後70銭上がって93.5円になったら、その分逆指し値を70銭上げて逆指し値を93円にしておく方法です。すると、その後ドルが落ちてきても93円でささりますから、利益としては残る。

 もちろん、「ああ、上のほうで売っておけば……」とはなりますが、負けていないのだから、その資金は次に使えるでしょう。逆指し値をいかに近づけていくか? がポイントとなるのです。

 また、「この相場は力がある」と思ったら一気に逆指し値を近づけていく場合もありますし、「ここは利食ったほうがいいかな」という判断もできます。こうした判断に裁量の余地を残しているわけです。

――素人には、相場の力強さといったものは分かりません。鈎足ではそのあたりもわかるのですか?

 はい。強弱を見分けることができるようになりますね。自分でチャートを作成していくことで、感覚も養われます。

――チャートを付けると、相場の感覚は養われるのですか?

 そうですね。ファンダメンタルズ主体の人も、チャートを付ける作業はしています。インターネットを使えばほとんどのチャートを見ることができますが、それは逆に損をしているとも言えますね。チャートを書くと、値動きが実感として分かりますから。まさに、「見るとやるとは大違い」なのです。鈎足に限らず、ローソク足やRSIも一回手で描いてみることをおすすめします。目から鱗が落ちますよ。そして、ほとんどのチャートは時間を追って描かなければいけないけれど、鈎足は暇な時に描けるチャートなのです。

――リーマンショック後の厳しい時代です。

 為替というのは、上に行く可能性と等しく下に行く可能性があるにも関わらず、昨年までの2年間は上に行ってばかりでした。だから、相場は上昇するものだと誤解していて、それまで儲けていて、昨年急に相場が下落しはじめてから、損する人もでてきましたが、上にも下にも行くということは本来、資産を作りたい人にとっては、いつでもチャンスが転がっているということなのです。

 誰でも相場を当てたいと思っていますが、それは無理だというのが私の哲学です。アンドリュー・カーネギーは、これからやってくる鉄道の時代を見据え、鉄鋼に力を入れて財を成しました。つまり鉄の相場を見分けたわけです。それは特殊な例です。私に言わせると、相場を読もう、チャンスをとろうとしても、なかなか大きな流れは見えません。

 逆に、給料を全部使ってしまうのではなく、毎月1万円や5000円残す人は、そのお金で本を買ったりして自分に投資しますよね。少しずつの努力かもしれませんが、それはあとで大きく返ってくるでしょう。同じ理由で、(FXの)口座を開ける人には、チャンスの神様がほほえむと思っているのが、私の哲学です。

――最後に、本書を読んだ方に対してアドバイスをお願いします。

 本書を読み終わった後は、きっと「儲かりそうだな」と思うでしょう。しかしそこで焦らずに、まずグラフ用紙を買ってきてほしいです。そして、鈎足チャートを付けていただきたいですね。

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