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遊べる「デジタルインスタント」開発ウラ話を徹底取材!

xiao TIP-521開発者「発想はカメラ付きのプリンター」

2008年11月26日 15時40分更新

文● 盛田 諒/トレンド編集部

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もっと遊びを作り出してほしい

―― ZINK紙はポラロイドともインクリボン式感熱紙とも違う技術なんですか?

ZINKペーパーは10枚まで装填できる。写真は「10年以上保ちます」という

土肥 ポラロイドはいわゆる銀塩写真などと同様に拡散転写法の感光技術を使っていましたが、こちらは感熱技術を使用しています。

 これまでの感熱紙はインクリボンを圧着(蒸着)させる仕組みだったのですが、こちらは結晶した色素で紙面をコーティングしているものです。そこに熱を加えて反応させて色をつけるというやり方ですね。


―― ZINK紙を使う利点というのはどこにあるんでしょうか。

土肥 プリントできる画素数は約90万画素相当ですから、そこまで高精細というわけではありません。ですが、他のフォトプリンターと違う「撮って、出して、渡す」という使い方をするため、規格にはない「名刺より小さいサイズ」という特徴にこだわっています。

 あらかじめ紙がシールになっているというのも重要だと思っています。写真を1枚「64分割」でプリントアウトして、手帳のスケジュール用シールにするなどの使い方が簡単にできるという特徴を作るためです。


―― 最後に「おもちゃ屋」がこの製品を作ったことの意味を教えてください。

土肥 今は何でも「自分で作る」というきっかけがなくなっていますよね。おもちゃの世界も同じです。かつて別冊・月刊アスキーにPC-8001用の「表参道アドベンチャー」というプログラムが掲載されましたけど(!)、その「作ってやろう」という文化がないんですよね。

 誰かに与えられたものにとりあえず満足して、それをこなしていくだけなんです。ミニ四駆ブームの頃には改造やチューンアップをすることもありましたけど、今はRPG、ゲームくらいのものですからね。

 そんな中で「自分で遊び方を作る楽しみ」を持ってほしいと思っているんです。遊びに参加するのではなく、製品というきっかけから遊びを生み出していく楽しみ方ですね。それがおもちゃ屋としての使命かなと思っています。


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