高品位なSACD再生とiPodの利便性を両立
前回の記事から、ひと月、間が空いてしまったが、iPodをオーディオシステムに組み込む記事の後編をお届けする。
今回のメインとなるのは、SACDプレーヤーにiPod用の接続端子を備えたマランツの「SA8003」である。同社のSACDプレーヤーには、まずフラッグシップの1桁台があり、2桁台の製品が続く。ピュアの入り口となる4桁台の製品は、エントリー機という位置付けだが、高音質を比較的手軽な価格で手に入れられる機種としていずれも評価が高い。
SA8003の定価は9万4500円で、単品コンポーネントとしてはエントリーから中級機クラスへの「橋渡し的な製品」となる。ミニコンポやシステムコンポといったカジュアルなオーディオから、本格的なオーディオの世界に足を踏み入れていく人が入手するのに最適なクラスと言えるだろう。
マランツ製では、自宅で「SA-7S1」と「SA-17S1」の2機種を愛用している筆者だが、このSA8003は発表時から興味があった。まず外観が、従来機から大幅に変更されている。マランツはこれを「M-1」デザインと呼んでいるが、見た目はSA-7S1に近付いている。中央にトレーとFLディスプレーを備えた、左右対称のデザインで、カラーは同社のアイデンティティーとも言えるシルバーゴールドである。
機能面では、SACDやCDに加え、CD-R(CDDAのほかWMAとMP3にも対応)、USB端子に接続したiPod、各種ストレージデバイスの音楽ファイル(MP3、WMA、AAC、WAVE)も再生できる。D/AコンバーターはシーラスロジックのCS4398で、これまで同社製プレーヤーに用いられてきた「CS4397」(筆者所有のSA-17S1も同様)より世代が新しく、静特性も上回っているという。
iPod接続機能に関しては、メニュー構成などの違いはあるが、前回取り上げたパイオニアの「VSA-LX51」と基本的に変わらない。まずは、本体前面のUSB端子にiPodを接続。電源を投入して、ディスプレー左脇のボタンでUSBモードに変更。リモコンで「Playlist」や「Artist」を選んでいけばいい。この機種も日本語表示には対応していないが、Playlistを作って、英文のタイトルをつけるといった工夫でしのげるだろう。