5分で分かる！　FXの基礎 第1回

FXとはどんな取り引きか

FX、5つの特長

　FXの主な特徴としては、

1. 円高・円安両方の局面でもチャンスがある
2. 外貨預金と比べて手数料が安い
3. レバレッジ（後述）があるため少額資金でも始められる
4. リスクコントロールできる
5. 世界の通貨が対象なので、分散投資しやすい

の5つが挙げられる。

　（1）については、為替差益による取り引きなので、仮に外貨に「買い」を入れていた場合、円安局面であればプラスになり、円高局面であればマイナスになる。逆に、外貨に「売り」を入れていた場合、円安局面でマイナスになり、円高局面ではプラスになる。FXでの取り引きは、取り引き通貨ペア（たとえば米ドルと円）を決定し、投資金額を決めた後に「買い」か、「売り」かを指定して開始される。ここで、通貨「ペア」と言うからには何を「売り」「買い」するのか？　という疑問が沸くが、これは通貨ペアごとに決まっていて、たとえば米ドルと円（USD/JPYと表記される）であれば、米ドルに対して「売り」「買い」を行うことになっている。

（2）の、取り引きにかかるコストだが、手数料についてはFX会社間で顧客獲得の競争が激しくなっているため、取り引き条件に関わらず0円としている会社が増えている。いずれにせよ、銀行で外貨預金をすると1米ドルあたり1円、1000米ドル取り引きすると1000円前後の手数料がかかることを考えれば、FXで売買するほうがずっとお得だ。

　ただし、FX会社はスプレッド（売値と買値の差額）とスワップポイント（2国間の通貨の金利差）を調整して利益を得ているので、よく確かめると手数料は安くても、スプレッド幅が他社より広いということもある。また、相場の変動によりスプレッド・スワップともに変更されることもあるので要注意だ。

　また、（3）の「レバレッジ」。これが少額投資を可能にしているカラクリだ。レバレッジとは、例えば元資金10万円に対してレバレッジを10倍に設定すると、日本円で100万円分の取り引きができるようになるというもの。この仕組みがあるため、資金は1万円程度から始められるFX会社もある。レバレッジの設定はFX会社によって異なるが、2倍～最大500倍まで用意しているところもある。FXはレバレッジを利かせた取り引きであるため、FX会社に入金したお金は投資元本ではなく、「証拠金」となる。言ってみれば担保であるが、顧客は、その証拠金を「預託」することで、入金した以上の額＝レバレッジを利かせた額で外国為替の取り引きが可能となるのだ。

※為替の動きが激しい場合などは、まれに元のお金（証拠金）以上の損を被ることがあります

　そして、投資家自身がリスクコントロールできるのもFXならでは。FXには、相場の変動などにより、証拠金が一定以上減ると強制決済する「ロスカット」と、担保としている証拠金を追加入金（追証）するよう伝える「マージンコール」という2つの仕組みがあるので、資金が一瞬にしてゼロになる、ということがほとんどない。レバレッジによって10万円で100万円分の取り引きができたとしても、投下資金内でロスカットが執行されるため、よほどの事がない限り、投資金額の資金までしか損をしない（ただし、あまりにも値動きが激しい場合などは、口座がマイナスになって決済されてしまうことはある）。

　このようにFXには独特の仕組みが多く、そこが投資家の間で人気を呼んでいる理由だろう。

　次回は、インターネットを使ったFXの取り引きの仕組みを紹介する。

ご注意

本記事の情報を元に投資された結果につきましては、一切責任を負いかねます。投資は自己責任で行なっていただきますよう、お願い申し上げます。