分散投資とデフォルトの予防対策でP2P金融の信用獲得を狙う
ソーシャルレンディングが普及すれば、SOHOレベルのベンチャーが事業資金を獲得したり、余剰資金で手ごろな投資を始めたいビジネスマンも利用できるようになる。
しかし、一般的には、ウェブでお金の貸し借りすることに不安を感じる人が多いだろう。妹尾氏は「だからこそリスク分散のしくみとデフォルト(債務不履行)対策を徹底している」とその安全性を強調する。
まず、MANEOでは貸し手は1人の借り手に対して最高でも20万円しか貸せない。複数人に貸すことは可能だが、1人の貸し手に依存して万が一のケースで大きな損失をこうむらないようにしている。また、借り手も上限金額が200万円に定められている。
さらに、デフォルト対策としては、ユーザー審査を厳密にしている。借り手になるためには年収300万円以上で働いている必要がある(主婦や学生は借り手として登録できない)。
年収以外にも、持ち家区分や勤務年数などユーザーから申告される情報や、他の金融機関での借入情報など外部の信用機関を通じた細かな審査がある。それらはMANEO独自のレーティングで評価され、結果は公表される。そのレーティングのスコアによって、「200万円を3年間の返済期間」で借りられる借り手がいる一方、「20万円を半年間の返済期間」でしか借りられないユーザーもいる。
MANEOではヤフオクなどと同じように取引実績がSNS上に公表される。そのため、いい加減なことをしてしまうとすぐにそれが露呈する。登録するための道のりが険しいため、1人の人間が複数のIDを持つことは原則難しい。不正が起こらないようなしくみとして、このような何重の防護壁が施されているのだ。