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やっと出た! PCI Express版Sound Blaster X-Fiを試す

2008年08月12日 19時31分更新

文● 小西利明/トレンド編集部

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VistaでEAXを有効にする Alchemyの基礎知識

 実際のゲームにおける、X-Fi Titaniumの威力を検証してみよう。ゲームでX-Fiオーディオプロセッサーの真価を発揮させるには、ゲーム側が前述のEAX ADVANCED HD 5.0や、マルチプラットフォームの3DオーディオAPI「OpenAL」などを利用して、サウンド出力を行なう必要がある。

 Windows XPでは特に問題ないのだが、Windows Vistaではサウンド周りの仕様が大きく変わってしまい、マイクロソフトの3DサウンドAPI「DirectSound 3D」が廃止されてしまった。EAXはDirectSound 3Dの拡張機能として動作するよう設計されていたため、そのままではEAXの機能を、Windows Vista上では利用できない。この問題は、ヘビーゲーマーがWindows XPを手放せない理由のひとつにもなっている。

Creative Alchemy

EAXに対応しないWindows Vistaで、EAX対応ゲームのサラウンド再生を実現する「Creative Alchemy」

 そこでCreativeは、ゲーム側がDirectSound 3DやEAXの命令を実行したときに、その命令をOpenALに変換して処理する変換ツール「Creative Alchemy」を開発。Sound Blaster X-Fiのユーザーに提供した。Alchemyにより、Windows Vista上でも、EAX対応ゲームでサラウンド再生が可能となった。

 ただし、残念ながら「あらゆるEAX対応ゲームで機能する」というほどではなく、手動で設定を作る必要があったり、ゲームによっては対応できない場合もある。

 対応ゲームでAlchemyを有効にするには、X-Fi Titaniumのドライバーソフトと一緒にインストールされるAlchemyを実行して、該当するゲームをAlchemy側に登録する必要がある。Alchemyは起動すると、パソコン内をスキャンして対応ゲームを自動で検索する。検出された対応ゲームは画面左のリストに一覧されるので、Alchemyを使いたいゲームを選んで、左から右に送るだけだ。この登録作業は一度行なうだけでいい。


音の定位と反響のリアルさは比べものにならない

 今回は、Alchemy対応ゲームであるファーストパーソンシューティング「F.E.A.R.」で、X-Fi Titaniumの威力を試してみた。

 Alchemyでの登録作業が済んだら、あとは普通にゲームを起動して、ゲーム内のサウンド設定でEAX ADVANCED HDを有効にする。これだけで、ゲーム内のサウンドすべてが、EAXによるサラウンドオーディオで出力されるようになる。

F.E.A.R.のサウンド設定画面

F.E.A.R.のサウンド設定画面。EAXなど3項目を全部オンにする

 ヘッドホンをつないで実際に聞き比べてみると、その効果は歴然としている。EAXがオフの場合、銃撃や爆発の音は「なんとなくそれっぽい方向」から聞こえる程度だ。それがEAXをオンにすると、音源の位置がより明確に表現され、ゲーム空間内で実際に音源がある場所(つまり敵の居場所とか爆弾の爆発地点)と正確にマッチするようになる。「音だけで敵の位置がつかめる」という表現が誇張でないほど、音の定位の明確化は真に迫っている。

X-Fi Titaniumでプレイ中のF.E.A.R.。敵AIが優秀で、プレイヤーの背後を取るように動くゲームなので、シングルプレイでもX-Fiによる音の定位の明確化は役に立つ。爆弾の爆発音も迫力ある。開発中の続編「Project Origin」でも、X-Fiの効果は期待できそうだ

 また、音が周囲の物体に反響する様子も、実にリアルに表現される。例えばゲーム中では、狭い室内にある電話から音声が流れるシーンがある。ここで電話を右にして立つと、電話から流れる音声が右から聞こえるだけでなく、背後や左側の壁に反響した音が、左耳からも聞こえてくるのだ。EAXをオフにすると、電話の音は右から聞こえるだけになり、反響の表現は一切行なわれない。この表現に慣れてしまうと、もうEAXオフには戻りたくない。


X-Fiはゲームの味わいを増すスパイス

 大抵のゲームの場合、音だけで極端にゲームの面白さが変わる、ということはないだろう。しかし、FPSでの対戦プレイでは、音の定位による位置の把握ができるか否かは、ゲームの勝敗を左右しかねないほど重要だ。またMMORPGでも、視野の外の敵の動きを音でつかめれば、戦いを優位に進められることは間違いない。

 対戦型ではないゲームにしても、リアルなサラウンドサウンドはゲーム世界の表現を一層リアルに感じさせてくれる効果がある。X-Fi Titaniumはゲームをより深く楽しむための、優れたスパイスと言ってよいだろう。

 ゲーム自体がOpenALに対応していれば、Alchemyに頼らなくてもWindows Vista+X-Fiの環境でサラウンド再生が可能だ。しかし、OpenAL対応のゲームはまだ多いとは言い難いし、マイクロソフトもXbox 360との互換性があるサラウンド機能「XAudio2」の開発を進めている。OpenALとXAudio2のどちらが今後の主流となるかは、現時点では判断できない。

 それでも、ゲームに使えるサウンドカードとしては現在ほとんど唯一の存在であるX-Fiシリーズが、XAudio2が主流になったからといって、短期間で使えなくなるということはないだろう。ちょっと古めのゲームから今後のゲームまで、X-Fi Titaniumはゲームサウンドを堪能するには必須の製品と言えよう。

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