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ケータイの進化の行方 ワイヤレスジャパンで見た未来

2008年07月24日 23時00分更新

文● 西川仁朗/トレンド編集部

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モバイルサービスの新たな進化のカタチ

 新たなモバイルサービスに意欲を見せたのが、顧客満足度の向上に注力するNTTドコモだ。

 山田氏は「これからは生活サポートケータイを目指す」と述べる。NTTドコモはケータイにエージェント機能を持たせることで、ケータイが「自分にあった情報を探してくれる」「適切なタイミング・方法で知らせてくれる」「情報の管理・更新をしてくれる」サービスを提供していく。

 一方、KDDIはの小野寺氏は「固定・モバイル・放送などアクセス手段を意識することなく多様なコンテンツやサービスを利用できるFMBC (Fixed Mobile and Broadcasting Convergence) の世界を実現していく」と述べる。そのためには「パーソナルエージェント」の方向へ向かうのが重要だと考えている。

KDDI 代表取締役社長 兼 会長 小野寺 正氏

KDDI 代表取締役社長 兼 会長 小野寺 正氏

 例えば、携帯電話で振り込みや預金管理できるフルラインナップの金融サービス「じぶん銀行」や、ランニングやウォーキングの距離やタイム、消費カロリーを計算してくれる「au Smart Sports」などのサービスはエージェント機能の一端を示している。

 KDDIはユーザーエクスペリエンスの向上に向けた研究を進めている。サッカー選手や相撲の行司の視点でスポーツ中継を見ることができる「ウォークスルー自由視点映像」や過去の購入履歴・視聴履歴などを元にユーザーにとって最適なコンテンツを推薦するレコメンド技術などだ。また、他のデバイスと携帯電話の間で、大容量のデータ通信を瞬時に可能にする毎秒1Gbitの高速赤外線通信インターネット技術も近い将来登場させる。

KDDIのユーザーエクスペリエンス向上に向けた技術開発のイメージ図

 さらに、ケータイ向けのマルチメディア放送「MediaFLO」によって、見逃した番組をあとからケータイで見たり、PPVを見ることができるようになる。MediaFLOは2008年の第4四半期からユビキタス特区の沖縄で実験開始を予定している。

 ソフトバンクは新たなサービスとして具体的なものは挙げなかったが、松本氏は「モバイル情報サービスの将来像はPCと携帯電話の2つのモデルを結合し、新たな収入の可能性を模索するべき」と、通話料だけに頼らないビジネスモデルの必要性を述べた。具体的には、「Portable EntertainmentやWeb 2.0(UGC、ナレッジマネジメント、ロングテールなど)、Social Graphなどから新たなビジネスが生まれるのではないか」と語る。

ソフトバンクモバイル 取締役副社長 松本 徹三氏

ソフトバンクモバイル 取締役副社長 松本 徹三氏

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