マイクロソフトは13日、Windows Vistaを地上デジタル放送(以下地デジ)に対応させると発表した。Windows Vista Home PremiumとUltimateの標準機能である「Windows Media Center」で、地上デジの視聴・録画を可能にするという。この機能は「Windows Media Center TV Pack」(以下TV Pack)という名称で現在開発が進められている。
従来、パソコンで地デジを見るには、メーカーが独自に視聴ソフトを用意する必要があった。しかし今後は独自ソフトがなくても、Windows Media Centerで地デジを楽しむことができる。
地デジパソコンといえば、今までは高価格帯の製品が多かった。しかし地デジの視聴機能がOSの標準機能として組み込まれことで、製品の開発コストが下がり、今後は15万円程度の普及帯のパソコンでも地デジ対応機種が増える見込みだという。
OEMのみで単体での販売はなし
ただし、TV PackはPCメーカーのみに提供される。2008年夏頃にマイクロソフトの開発が完了し、その後、各PCメーカーへと出荷され、地デジ対応のVistaパソコンにインストールされて販売される予定だ。そのため、TV Pack単体やそれを含むWindows Vistaの一般ユーザー向けパッケージ販売や、Windows UpdateによるTV Packでの提供予定は今のところない。
こだわったのは快適な操作性
マイクロソフトがVistaの地デジ機能でこだわったのは、快適な操作性だという。発表会でのデモによると、地デジの起動時間は5秒程度、チャンネルの切り替えも待たされる感じはない。データ放送の表示やEPGの操作も非常に軽快で、一般的なテレビと比べても遜色がないどころか、むしろキビキビ動くという印象を持った。使い慣れたMedia CenterのUIを利用できるのも便利そうだ。
ただし注意点もいくつかある。TV Pack搭載マシンで録画した番組は、BDやDVDメディア、メモリーカードなどへのムーブ、他のパソコンからのLAN経由での視聴はできない。あくまで録画したマシンで見ることしかできない。
