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埼玉南西部と横浜までが一気につながる

都内最後の地下鉄新線は副都心をどう変える?

2008年04月19日 09時00分更新

文● 岡本善隆(編集部) 写真●小林 伸

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月刊アスキー 2008年5月号掲載記事

東京地下鉄10000系

副都心線で用いられる東京メトロの10000系。東武東上線の川越方面、その手前の小竹向原駅からは西武有楽町線経由で西武池袋線所沢方面とそれぞれ直通運転される。急行運転も実施され、池袋~渋谷駅間では新宿三丁目のみ停車する。

東新宿駅近く

副都心線は主に明治通りの下を走る。職安通りとの交差点近く、東新宿駅の南西部には従来「日本テレビゴルフガーデン」があった空き地がある。ここは2300億円で三菱地所を中心にした企業体が落札し、再開発が進められる予定。写真の北側が商業地になると見られる。

新宿三丁目駅近く

副都心線の新宿三丁目駅が開通と同時に新宿南口へと繋がる地下道が開通する予定。新宿のお買い物は便利になるかも。

「現時点でもう新線の建設計画はありません」(東京地下鉄・広報)。つまりおそらく都内最後となる地下鉄新線「副都心線」が、6月14日開通する。新たにできる路線は池袋駅―渋谷駅間だが、従来有楽町線新線と呼ばれていた区間も合わせ、和光市駅―渋谷駅間が副都心線となる。和光市からは東武東上線、小竹向原からは西武有楽町線を経由し、西武池袋線と直通運転を行う。いずれも池袋を起点とする路線であり、埼玉南西部の乗客が乗換無しで新宿・渋谷に行けるようになる。

比較的影響が有りそうなのはたとえば百貨店業界。従来池袋止まりの客が、渋谷や新宿へと分散化が進むと考えられる。中でも新宿は新宿三丁目と新宿南口間をつなぐ新たな地下道が生まれる。前者は三越、後者には高島屋という巨大百貨店があり、競争は激化しそうだ。駅前の風景を変える可能性という意味では東新宿に注目したい。駅近くのゴルフ練習場跡地4万平方メートルという巨大エリアの北側6割を三菱地所を中心とした会社が落札した。おそらくはオフィスビルになると予測される。

副都心線は銀座や大手町といったエリアには繋がらず、都心西部で人の流れが完結するという意味でも新しい路線である。街の重心が徐々に西側へ移動するという、東京における長年の流れがさらに加速するかもしれない。

北参道駅近く

北参道駅は総武線の代々木駅と千駄ヶ谷駅の中間のやや南側。原宿警察署もあるこのエリアは都心の真ん中とも思えないほど生活臭(銭湯も!)がある街だ。この静かな住宅街に開発の手が伸びる?

東急文化会館跡地

五島プラネタリウムなどでもなじみが深い東急文化会館が取り壊され、その場所に33階建ての高層ビルが建てられ2012年完成予定。そのタイミングで東急東横線の渋谷駅が地下化され、副都心線と直通する。湘南新宿ラインとの競争も激しくなるだろう。

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