Apertureなら12TBの写真データを持って世界中を飛び回れる!!
リポート:ピューリッツァー賞受賞の報道写真家ヴィンセント・ラフォレ氏が来日、「Aperture 2」の魅力を語る
2008年03月08日 20時00分更新
アップルジャパン(株)は5日、2月12日に発表した写真編集・管理ソフト「Aperture 2」の発売記念イベント「Aperture World Tour」を直営店「Apple Store Ginza」で開催した。このイベントのために、報道関係者に贈られる世界最高峰の賞「ピューリッツァー賞」を受賞したヴィンセント・ラフォレ氏が来日し、Apertureを活用する自身のワークフローから、本ソフトの魅力を語った。
ヴィンセント・ラフォレ氏は、ニューヨークのマンハッタンをベースに活動する写真家。ニューヨークタイムズ誌のスタッフカメラマンとして活動し、2005年に独立。ニューヨークタイムズ/バニティーフェア/ライフ/タイム/ナショナルジオグラフィック/スポーツイラストレイテッドなどの雑誌のほか、コマーシャルフォトの分野でも活躍している。その経験に基づいて、Apertureシリーズの開発アドバイザーとしてAppleをサポートしてきた。
Apertureなら世界中どこにいても
50万枚もの写真のRAW編集が可能
ラフォレ氏はまず、Apertureの魅力について、「ニューヨークのオフィスに12TBのXserve RAIDを構築し、約50万枚の写真を管理しているが、Apertureの写真管理機能なしにこのシステムの実現は不可能だった」と切り出した。
具体的には、「ラップトップのApertureにはその約50万枚もの写真のリファレンスデータが入っており、リモートデスクトップでインターネット越しにオフィスのXserveにアクセスすることで、約50万枚もの写真のRAWデータを参照できる状態にしている。つまり、世界中どこにいてもラップトップから50万枚もの写真をRAW編集できるんだ」と説明。クライアントから相談を受ければすぐに返事ができ、プロジェクトの途中である程度写真の絞り込みが進めばApertureから.Macウェブギャラリーに公開して打ち合わせを行う、と一貫した高い作業効率の魅力をアピールする。
アップルの提供するサービスを徹底的に活用して、自身のワークフローに見事に取り込んでいる同氏だが、デジタルカメラへの移行も早く、「2000年からデジタルカメラを使い始めている。新しいことが好きで、ニューヨークタイムズでも一番早かった」という。Apertureを使い始めたきっかけについては、「撮ったあと、管理から出力までできるポストプロダクションツールはそれまでなかったから」とし、「20万枚のメインライブラリーを手早く管理して分類できるツールはほかにはない」と強調した。
そして、同氏が100前後のリクエストを投げ、そのうちの20〜30%を反映し、開発されたというバージョン2については、処理速度の向上/クイックプレビューの速度/RAWデコードエンジンの強化などのポイントを取り上げた。特に「画像処理の95%がAperture 2だけで完了するようになった」と、ポストプロダクションツールとしての完成度の向上をアピール。本講演を締めくくった。
イベントでは、作品を上映しながら講演が進められた。以下の作品はその一部。