SocialAdが受け入れられる条件
ニコニコ動画のような匿名性のあるサイトでのSocialAdは受け入れられることが分かった。しかし、そもそもSocialAdとは、知人が何を購入したかという情報や、「パソコンに造詣の深い○○氏がどんなパソコンを購入したか」という類の情報に価値を見出すものだ。米国ではプライバシーに関する意識は日本よりも緩いとされる。実際、顔写真はおろか、あらゆる個人的な情報を積極的に掲載している人は多い。そんな米国でも、FacebookAdは拒否されてしまった。では、匿名性ではないSocialAdは受け入れられないのだろうか。
そんなことはないと筆者は考える。「価格.com」や「@cosme」(アットコスメ)などのクチコミサイトにあるような手動でのレコメンドとも言うべきものは、広くユーザーに受け入れられている。ユーザーは、自分がいいと思うものはお勧めしたいのだ。
それが今回Facebookで受け入れられなかったのは「情報を自分が意識的に出したか否か」という違いではないだろうか。知らず知らずのうちに露出してしまうというのでは、スパイウェアと変わらない。そして、買ったことを他人に知られたくない「お勧めではない」商品の購買情報が他人に知られることが、拒否されたのだ。
今後SocialAdが受け入れられるためには、まず絶対にオプトインサービスであることが必要である。次に、ニコニコ動画のようにある程度の匿名性が守られるか、行動履歴のうちお勧めのものは表示し、隠したいものは非表示にするなどの情報を操作する自由がユーザーに与えられることが必要だと考える。今後、その双方を満たした新しいSocialAdの登場を待ちたいと思う。