昨年、Beacon採用の「FacebookAd」がプライバシーの侵害として大問題となったことは記憶に新しい。ところが、ニコニコ動画で先日導入された「電光掲示板」(関連記事)は、似た仕組みだが今のところまったく問題となっていない。一体どこが違うのだろうか。二つの「SocialAd」の明暗を分けたポイントを追い、SocialAdが受け入れられる条件を考えていく。
訂正とお詫び:電光掲示板の位置を説明する画像のキャプションに誤りがありました。訂正してお詫びします。(2月21日)
画期的な新広告手法「FacebookAd」
Facebookとは、アクティブユーザー数6400万人以上、月間ページビュー数650億以上という、世界最大級のSNSだ。元は米国で学生向けに作られたSNSだが、成長率が著しく、いずれMySpaceを超えるとも言われている。そんなFacebookの新広告手法Facebook Adsが、昨年11月に発表されて話題となった。
Facebook Adsは、広告主用のブランドページの作成「Facebook Pages」、Facebook Social Adsを通じた広告配信、「Facebook Insights」による広告主への広告効果測定の提供から成り立っている。
「Facebook Beacon」は、外部ウェブサイトでFacebookユーザーのとった行動をFacebook内の友人に配信できる機能だ。Facebook Beacon対応ウェブサイトでユーザーが行なった「コメント投稿」「商品購入」「ビデオ視聴」などの行動履歴が、あまさず友人に伝えられるというわけだ。
これによりユーザーのあらゆる行動自体が広告となる可能性がある、SNS機能を生かした画期的な広告手法と注目された。しかし、これがプライバシーの侵害として問題となってしまったのだ。