テレビの音もよりクリアに聞こえる
新水冷システムを採用
VW790/LGでのテレビ視聴・録画は、Windows Media CenterからSmartVisionの機能を呼び出して行なう。視聴は一般的なテレビと同様にテレビ番組をライブで視聴するほか、見ている番組を一時停止したり早送り・早戻しできる“タイムシフト”視聴も可能だ。操作はリモコンとマウスの双方から可能で、番組情報の確認やデータ放送の操作、EPG(電子番組表)の閲覧も直感的に行なえる。
実際に視聴したところ、映像は鮮やかな発色で原色に近い色も良好に表現されており、また、音もクリアで聞きやすかった。音についてはスピーカーの性能に加えて、新しい水冷システムの採用によりパソコン本体が発するノイズが低減されている部分が大きい。VALUESTAR Wでは駆動音低減のためにHDDをジャケットで包み、水冷システムによりその冷却を行なうといった工夫がなされている。NECによれば、これによってHDDが動いている状態でも駆動音の大きさを約25dB程度に抑えているという。空調など室内の機器を止めた静かな部屋で実際に使用しても、テレビ番組の音を出していれば(パソコンが動作していることを)忘れてしまうほどで、静音性能の高さには改めて驚かされる。視聴時のCPU負荷とメインメモリの使用量については、タスク マネージャの情報によるとハイビジョン番組の視聴時でおよそCPU負荷30%前後/メモリー1GB程度といったところだった。パソコンとしての使用上も余裕がある状態で、テレビ番組をウィンドウモードで表示しながらほかの作業をしてもまったくストレスはない。
ただ、視聴時に気になったポイントとして、ディスプレーの視野角が挙げられる。具体的には1m程度離れた位置から見ていると目の高さを5cmでも変えただけで、明るさが変化して見えてしまう。変化の度合いは色味が反転するほどではなく、映像の一部が白とびしたり暗くなる程度ではあるが、テレビ代わりにリビングなどに設置して真正面以外の角度から見る機会が多い場合は不満を感じるかもしれない。特にテレビ機能を重要視する人は、店頭で視野角の確認をおすすめする。
録画番組のファイルサイズが
約半分になる新“録画モード”!!
録画機能は、録画するテレビ番組を暗号化したうえで記録する、パソコンでは一般的な方式だ。録画の予約はEPG対応で簡単な操作により実行でき、予約録画実行時にスクリーンを表示しない「サイレント録画」機能も備える。番組の再生・視聴を伴わない録画時のCPU負荷は、タスク マネージャによるとほぼ0%で、メモリー使用量は770MB程度。ハードウェアエンコーダー(SmartVision)を搭載しているだけあって、パソコンにかかる負荷はかなり抑えられている。番組をHDDに録画できる時間は、地デジのハイビジョン番組をそのままの映像品質で録画する場合、すべてのパーティションの空き領域を用いれば、約59時間分保存できるという。
録画機能における目玉が、春モデルで新たに導入された“新録画モード”「デジタル長時間」だ。デジタル長時間では、「データ放送情報の削除」と「ビデオビットレートの変更」(トランスレート)により、番組が持つ情報量をオリジナルの1/2程度にまで削減できる録画モードのこと(コーデックはMPEG-2で変更しない)。圧縮・変換などをせずに記録する「デジタルダイレクト」では前述のとおり約59時間録画できるわけだが、すべてデジタル長時間で録画する場合には2倍の約119時間記録できるという。しかし、データ放送はともかくビデオビットレートが変更されるとなると、心配になるのは映像品質である。
そこでデジタル長時間モードとダイレクトモードで同時に同じ番組を録画し、それぞれの映像品質を比較してみた。