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組込み一直線 第4回

最終回 「プロジェクトマネージャー」として大成するには 後編

2008年02月14日 11時55分更新

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外部委託先の見極め

 組込み系に限らずプロジェクトマネージャーは、コストや予算の管理が大切な業務です。ただし、たとえ外部に開発の一部、あるいは、すべてを委託する場合においても、コストを下げるのが最終的な目標になってはいけません。安さだけでなく、委託先の仕事の実力や姿勢、開発内容との相性や実績などを見極め、総合的に信頼できるところに頼むことが重要です。それを見極める眼力もプロジェクトマネージャーに必要な要素になります。

 委託先を選ぶポイントの1つとして、昨今関心が向けられているものに「セキュリティに対する意識」もあります。組込み系開発の場合、OSに使用されるのはWindowsなどのような一般的なものではなく、ITRONやVxWorks、Symbianなどです。これらはWindowsと比べて、使う人が圧倒的に少なく、ウイルスなども少ないことから、セキュリティに関してそれほど注意が払われていない傾向がありました。しかし、今後はそうもいかないでしょう。また、それにも増して、個人情報や秘密情報の取り扱いについてきっちり対応がなされているか、といった「セキュリティ意識の高さ」は、業者を見極める判断材料となります。

 このように組込み系開発のプロジェクトマネージャーは、とにかく仕事の範囲が非常に広く、それゆえ求められるスキルも広範囲に及びます。オールラウンドに知識を持ち、さらにそれぞれに対して深い知識が必要でしょう。多くの現場を経験し、それら総合力を高めることが、プロジェクトマネージャーとして大成するには必要です。

 全4回にわたって解説してきました「組込み一直線」は今回で終わりとなります。常にアンテナを張り、新しい設計手法やツールなどをウォッチしながらも、現場を大切に、真摯に取り組んでいただきたい、そして、ものづくりの喜びをみなさんに味わっていただきたいと思います。

現場で成果を上げるポイント

・特許権や著作権、派遣法、下請法などの法律を理解する
・ソフトウェア開発の各部門でどれくらいの費用がかかるのか、コスト感覚を身 につける
・委託先選びの1つのポイントは「セキュリティに対する意識」


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■情報ブログ「人材育成の最前線」
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