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キヤノン、一眼レフデジカメの普及機「EOS Kiss X2」を発表

2008年01月24日 19時37分更新

文● 行正和義

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 キヤノン(株)は24日、同社の一眼レフデジタルカメラの普及モデルとして、1220万画素CMOSセンサーを搭載する「EOS Kiss X2」を発表した。撮像素子にAPS-Cサイズの1220万画素CMOSセンサーを、画像処理エンジンに最新の「DIGIC III」を採用、最高で毎秒約3.5コマ(最大約53枚)と、入門機としては高い連写機能を持つのが特徴だ。

EOS Kiss X2

光学式手ぶれ補正搭載ズームレンズ「EF-S18-55mm F3.5-5.6IS」を装着した「EOS Kiss X2」。「レンズキット」として販売される。なお、「EOS Kiss X」は実売価格を下げながら併売される

 同日行なわれた発表会においてキヤノンの内田恒二は、さまざまな機器を統合する画像入出力環境「クロス メディア イメージング」戦略によってキヤノンの市場シェアの拡大とともに、2010年の目標として“主要経営指標での世界Top10入り”を目指すと発表した。また、キヤノンマーケティングジャパン(株)の村瀬治男社長は、2008年のカメラ販売目標について、デジタル一眼レフ機で440万台コンパクトデジタルカメラで2500万台(ともに世界シェアNo.1)と発表した。

キヤノンの内田社長とキヤノンマーケティングジャパンの村瀬社長

発表会に出席したキヤノンの内田社長(左)とキヤノンマーケティングジャパンの村瀬社長(右)

 新たに「リアルタイムライブビュー」機能を搭載し、背面の3.0インチ大型液晶ディスプレーを見ながらフレーミングが行なえる。ライブビュー中のAF動作として「クイックモード」(ミラーをいったん下ろして通常の位相差検出を行なう)と「ライブモード」(コンパクト機と同様の像面コントラストによる検出)の2種類が選択できる。顔認識によるAF機能は搭載していないが、画像内の人の顔を自動的に検出して被写体や背景の明るさを自動補正する「オートライティングオプティマイザ」機能が新たに搭載されている。

掲載当初、背面の液晶ディスプレーのサイズを誤って記述しておりました。お詫びして訂正いたします。(2008年1月24日)

EOS Kiss X2のターゲット層

EOS KissX2は従来機「EOS Kiss Digital X」と同様に、ファミリー層を中心に一眼レフユーザー層の拡大とともに中級機へステップアップする層の獲得にも繋がる、と説明

一眼レフデジカメのシェア

2007年はデジタル一眼レフ全体でトップシェアを取れなかった同社だが、エントリーモデルではここ数年常に「EOS Kiss」シリーズが単独でトップとなっており、X2もまた単一モデルでの販売台数トップを狙う

 通常(ファインダー撮影)では高精度9点測距AFを採用し、特に中央のAFフレームには水平方向にF2.8対応と明るいセンサーを、水平および垂直方向にF5.6対応のセンサーを配置するクロス配置とすることで、高精度な測距を可能としている。さらに、光源の種類や違いによってピント位置のズレを自動補正する機能も搭載する。

背面

3.0インチの大型液晶ディスプレーが存在感のある背面。通常のファインダー撮影時にはステータスが表示され、ライブビュー時には被写体のフレーミングが可能となる

シャッターユニット

小型軽量化に大きく貢献した一体型シャッターユニット。機構を一体化することでシャッターチャージ時間を短縮して連写速度を向上させている。また、素材の改良によってゴミ、ホコリを抑えることでセンサーに付着するダスト対策となっている

 記録媒体はSDメモリーカードで、バッテリーは新開発の「LP-E5」(従来比1.5倍容量)を採用する。本体サイズは幅128×奥行き61.9×高さ97.5mm、重量は約475gで、従来機より約35gの軽量化がなされている。

バッテリーグリップ

新製品となるバッテリーグリップ「BG-E5」(1万6000円)。外部大型バッテリーとともに縦位置シャッターを備える

 製品パッケージはボディー単体(ボディー、バッテリパック、充電器、各種インターフェイスケーブル、アプリケーションソフト)に加えて、光学式手ぶれ補正機構搭載のズームレンズ「EF-S18-55mm F3.5-5.6IS」が付属する「レンズキット」、さらに光学式手ぶれ補正搭載望遠ズームレンズ「EF-S55-250mm F4-5.6IS」も付属する「ダブルズームキット」の3種類が用意される。発売時期はいずれも3月下旬で、価格はすべてオープンプライス。予想実売価格はボディー単体が9万円前後、レンズキットが10万円前後、ダブルズームキットは13万円前後。

FE200mm F2L IS USM

200mm望遠レンズ「FE200mm F2L IS USM」。鏡胴部や外装部品へのマグネシウム合金の採用により、2520gと超望遠レンズとしては扱いやすい重量に納まっている。最大径128mm、全長208mm

EF800mm F5.6L IS USM

800mm超望遠レンズ「EF800mm F5.6L IS USM」。光学系の改良により、従来の600mmレンズと同等の全長に納まっている。最大径163mm、全長461mm、重量4500g。なお、EF200mm、EF800mmともに防塵・防滴構造を採用する

 また、同時にEOSシリーズ用交換レンズの新モデルとして、超望遠レンズ「FE200mm F2L IS USM」および「EF800mm F5.6L IS USM」が発表された。いずれも色収差を抑える蛍石やUDレンズを採用、シャッター速度で4段分の補正機能を持つ高精度光学手ぶれ補正機構を搭載する。FE200mm F2L IS USMは4月下旬発売で、価格は85万円。EF800mm F5.6L IS USMは5月下旬発売で、価格は175万円。


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