キヤノン(株)は24日、同社の一眼レフデジタルカメラの普及モデルとして、1220万画素CMOSセンサーを搭載する「EOS Kiss X2」を発表した。撮像素子にAPS-Cサイズの1220万画素CMOSセンサーを、画像処理エンジンに最新の「DIGIC III」を採用、最高で毎秒約3.5コマ(最大約53枚)と、入門機としては高い連写機能を持つのが特徴だ。
同日行なわれた発表会においてキヤノンの内田恒二は、さまざまな機器を統合する画像入出力環境「クロス メディア イメージング」戦略によってキヤノンの市場シェアの拡大とともに、2010年の目標として“主要経営指標での世界Top10入り”を目指すと発表した。また、キヤノンマーケティングジャパン(株)の村瀬治男社長は、2008年のカメラ販売目標について、デジタル一眼レフ機で440万台、コンパクトデジタルカメラで2500万台(ともに世界シェアNo.1)と発表した。
新たに「リアルタイムライブビュー」機能を搭載し、背面の3.0インチ大型液晶ディスプレーを見ながらフレーミングが行なえる。ライブビュー中のAF動作として「クイックモード」(ミラーをいったん下ろして通常の位相差検出を行なう)と「ライブモード」(コンパクト機と同様の像面コントラストによる検出)の2種類が選択できる。顔認識によるAF機能は搭載していないが、画像内の人の顔を自動的に検出して被写体や背景の明るさを自動補正する「オートライティングオプティマイザ」機能が新たに搭載されている。
掲載当初、背面の液晶ディスプレーのサイズを誤って記述しておりました。お詫びして訂正いたします。(2008年1月24日)
通常(ファインダー撮影)では高精度9点測距AFを採用し、特に中央のAFフレームには水平方向にF2.8対応と明るいセンサーを、水平および垂直方向にF5.6対応のセンサーを配置するクロス配置とすることで、高精度な測距を可能としている。さらに、光源の種類や違いによってピント位置のズレを自動補正する機能も搭載する。
記録媒体はSDメモリーカードで、バッテリーは新開発の「LP-E5」(従来比1.5倍容量)を採用する。本体サイズは幅128×奥行き61.9×高さ97.5mm、重量は約475gで、従来機より約35gの軽量化がなされている。
製品パッケージはボディー単体(ボディー、バッテリパック、充電器、各種インターフェイスケーブル、アプリケーションソフト)に加えて、光学式手ぶれ補正機構搭載のズームレンズ「EF-S18-55mm F3.5-5.6IS」が付属する「レンズキット」、さらに光学式手ぶれ補正搭載望遠ズームレンズ「EF-S55-250mm F4-5.6IS」も付属する「ダブルズームキット」の3種類が用意される。発売時期はいずれも3月下旬で、価格はすべてオープンプライス。予想実売価格はボディー単体が9万円前後、レンズキットが10万円前後、ダブルズームキットは13万円前後。
また、同時にEOSシリーズ用交換レンズの新モデルとして、超望遠レンズ「FE200mm F2L IS USM」および「EF800mm F5.6L IS USM」が発表された。いずれも色収差を抑える蛍石やUDレンズを採用、シャッター速度で4段分の補正機能を持つ高精度光学手ぶれ補正機構を搭載する。FE200mm F2L IS USMは4月下旬発売で、価格は85万円。EF800mm F5.6L IS USMは5月下旬発売で、価格は175万円。
