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【CES 2008 Vol.14】テーブルPC「Surface」にMCE内蔵テレビ?――MSブースで見つけたモノたち

2008年01月10日 16時54分更新

文● 編集部 小西利明

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 米マイクロソフト社はCES 2008で、大面積の自社ブースのほか、屋外にも特設テントを設置して展示を行なうなど、精力的に活動している。今年のCESでは、Windows Vista自体のアピールはあまり見られない一方で、家電の展示会ならではという展示が見受けられた。その中の一部を紹介しよう。

会場外にあるマイクロソフトの特設テント

会場外にあるマイクロソフトの特設テント。Windows Vista対応の機器や、Vistaと対応製品を組み合わせて実現するデジタルライフの事例が展示されている


タッチで操作するテーブルPC Surface

 マイクロソフトブースの中でも、特に人気の高いコーナーが、テーブル型コンピューター「Microsoft Surface」の実演コーナーである。

Surfaceのデモコーナー

CES会場内マイクロソフトブースでは、3台のSurfaceでデモを行なっている。常に来場者が絶えない人気コーナーで、写真を撮るのも一苦労

 Surfaceは、6日(現地時間)に行なわれたビル・ゲイツ氏の基調講演(関連記事)でも披露されたもので、「自然なインターフェース」(ナチュラル・インターフェース)の例のひとつとされている。

 フラットなテーブルを30インチディスプレーとして使い、PC部分はテーブルの中に収められている。マウスやキーボードは一切使わずに、テーブル上に表示されたオブジェクト(画像やメニューなど)を手で触れたり動かしたりすることで、オブジェクトに対する操作を行なえるのが特徴だ。

文字入力もこのとおり手書きで

Surfaceにはキーボードもマウスもない。操作はすべて手をかざして行なう。文字入力もこのとおり手書きで

 たとえば、画面上にある写真を手で動かして位置を変えたり、拡大縮小したりできる。タブレットPCのタッチパネルとは異なり、複数人が同時にテーブルに触れても、それぞれを個別に認識して処理を行なえる。タッチパネルではなく、複数台の赤外線カメラを利用して、手の動きを認識しているためだ。

複数人が同時に操作することも可能

タブレットPCとは異なり、複数人が同時に操作することも可能。ただしそれを実現するには複数台の赤外線カメラが必要で、いささか手間のかかる代物といえる

 また、Surfaceの真上にはビデオカメラが設置されていて、テーブル上に置かれた物を、画像認識技術を使って認識することもできる。ブースでの展示ではカードやデジタルカメラ、さらにはワイングラスを認識させて見せた。

ZUNEとSurfaceとの間でコンテンツをやり取りできる

Surfaceの上に置かれた携帯オーディオプレーヤー「ZUNE」を認識。ZUNEとSurfaceとの間でコンテンツをやり取りできる。その操作もすべて、手で画像化されたコンテンツを動かすという自然なものだ

 さらに、無線通信機能も備えていて、テーブル上に置いた機器と通信を行ない、機器内のデータをテーブル上に表示することもできる。例えば、デジカメを認識させたうえで、テーブル上に表示された写真を手でカメラに移動させると、写真をカメラにコピーするという操作が実行される。

 現時点でのSurfaceは、企業向けの製品として販売が行なわれる。例えばホテルでの導入が計画されているようで、ラスベガスでカジノホテルを経営するHarrah'sグループが導入する予定という。ほかにもシェラトンホテル、携帯電話事業者の米T-Mobile社などが導入予定という。

2台の携帯電話機を認識させ、それぞれの情報を比較している様子

2台の携帯電話機を認識させ、それぞれの情報を比較している様子。T-Mobileでの導入事例をイメージしたデモのようだ

 手や画像認識のための装置が必要であるため、Surfaceの家庭への導入というのは現実的ではない。しかし、Surfaceでつちかわれた技術が将来のタブレットPCに応用されれば、今よりも自然な操作で扱える物が期待できそうだ。


広がりを見せるMedia Center Extender

 展示会場外の特設テント内では、Windows Vistaと対応製品を組み合わせて実現されるデジタルライフスタイルの事例が、テーマ別に展示・デモされている。例えば、Windows Vistaの「Windows Media Center」機能のコーナーでは、PC内のコンテンツをネットワーク接続された外部の機器から利用する「Media Center Extender」(MCE)のデモが披露されていた。

特設テント内で行なわれていた、Windows Media Centerに関するデモのコーナー

特設テント内で行なわれていた、Windows Media Centerに関するデモのコーナー。リビングをイメージした構成になっている

 MCEはPCから離れたところにある大画面テレビなどに接続して、PC上のコンテンツを楽しむための機器である。単体のMCE機器だけでなく、Xbox 360にもMCE機能が搭載されている。日本ではまだMedia Center自体の知名度が低いため、MCE自体もほとんど見かけない。しかし米国では、Windows XP Media Center Editionの時代から地道に広がり続けており、CES 2008では米ヒューレット・パッカード社(HP)や韓国サムスン電子社が新たにMCE機器を発表している。

米HP社の小型MCE機器「HP MediaSmart Receiver」

米HP社の小型MCE機器「HP MediaSmart Receiver」。リムーバブルHDDの装着が可能である

米Niveus Media社のMCE「Niveus Media Center Rainier Edition」

こちらは米Niveus Media社のMCE「Niveus Media Center Rainier Edition」。中身はほぼPCで、HD DVDの再生機能や最大750GBのコンテンツダウンロード用HDDを備える

 HPでは単体の小型MCE機器のほかに、37インチの液晶テレビの中にMCE機能を内蔵した、「HP MediaSmart TV」も製品化している。単体のMCE機器をテレビにつなげて使うのよりも、シンプルで分かりやすいソリューションと言えそうだ。

HPのMCE内蔵テレビ「HP MediaSmart TV」

HPのMCE内蔵テレビ「HP MediaSmart TV」。パッと見はただの37型液晶テレビにすぎないが、付属リモコンでMCE機能を操作できる

 とはいえ、普及台数から見れば最も多く利用されているMCE機器は、Xbox 360に間違いない。米国ではMCE向けの有料映像配信が盛んに行なわれているほか、マイクロソフトのIPTVソリューション「Mediaroom」の機能をXbox 360上で実現して、Xbox 360でIPTV放送を見るといった使い方も可能となっている。リビングのテレビとXbox 360とPCを組み合わせることで、多彩な映像配信を楽しめる環境が米国ではすでに整っているのだ。マイクロソフトの努力だけでは進まない分野とはいえ、同様の環境が日本でも提供されることを切に望む。

米国ではコンテンツ配信プラットフォームとしてのMedia Centerの活用が進んでいる

米国ではコンテンツ配信プラットフォームとしてのMedia Centerの活用が進んでいる。ちなみに、ビル・ゲイツ氏の基調講演で披露された爆笑ビデオも、Media Center向けに配信されているようだ

Xbox 360上で動作しているIPTVソフト「Mediaroom」で、HD放送を表示するデモ

こちらはXbox 360上で動作しているIPTVソフト「Mediaroom」で、HD放送を表示するデモ。IP放送がさまざまな障壁で進まない日本にいると、Xbox 360とMedia CenterのIPTV機能や充実したコンテンツ配信はうらやましい限りだ

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