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開発者に聞く「α700」のこだわりどころ

2007年10月27日 11時00分更新

文● 小林伸(カメラマン)

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「クイックナビゲーション」で、文字通り「クイック」に設定変更


 使用感にこだわるという部分では、背面液晶ディスプレーの撮影情報画面にも触れておきたい。

クイックナビゲーション

撮影情報画面を縦位置で表示したところ。縦横の切り替えは位置センサーによって自動的に行なわれる。この状態でFnキーを押すと、画面上の文字情報を選択可能になる。これを十字キーで選び、ダイヤルで値を変える操作が「クイックナビゲーション」

 α700では「クイックナビゲーション」と呼ばれる新機能が搭載されている。これは本体のFnキーを押すことで、画面上に一覧表示された撮影情報(ISO感度やホワイトバランス、絞り、シャッタースピードなど11項目)にアクセス可能となり、マルチセレクター(十字キー)と電子ダイヤルを利用して、その値を簡単に変えられるというものだ。

 この機能で面白いのは「Dレンジオプティマイザー」(画像の領域ごとに階調の最適化を行う機能)や「クリエイティブスタイル」(色作りのプロファイルの切り替え)の設定値をスピーディーに変えられる点である。こういった画作りの設定は、従来であればメニューの深い階層をたどらなければ、変更できなかった。



写真を撮る楽しみ・喜びをカメラが阻害してはいけない


プロダクトマネージャーの佐藤氏

プロダクトマネージャーを務めた、AMC事業部 設計部の佐藤氏

 α700のプロダクトマネージャーを務めたAMC事業部 設計部の佐藤 充氏は「写真を撮る楽しみ、喜びを少しでも損なわないようにどうすればいいかを考えて、手間のかかるメニュー画面を経ず、ダイレクトにアクセスできるようにした」と話す。

 取材の際、開発者の言葉の端々に登場したのが“写真を撮る楽しみ・喜び”だった。撮影することに集中できること、カメラを無意識に操作できるような設計にしていることが、α700の大きなコンセプトであるという。

 もちろん、どんなカメラでも使い込んでいけばある程度慣れることができる。必要な情報も自然に呼び出したり変更できるようになるだろう。しかしα700では、この「慣れるまでの時間」「自然に操作できるようになるまでの時間」が他のカメラよりも圧倒的に短いのではないかと考える。

 筆者は普段はニコンのD200を使用しているが、取材後数日間α700を試用している間に、この操作性の良さに惚れ込んでしまった。頻繁に設定変更する「ISO感度」「ホワイトバランス」「コントラスト」「シャープネス」「彩度」といった設定項目に非常にすばやくアクセスできるのである。実際、返却するのが惜しくなってしまったほどだ。

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