「クイックナビゲーション」で、文字通り「クイック」に設定変更
使用感にこだわるという部分では、背面液晶ディスプレーの撮影情報画面にも触れておきたい。
α700では「クイックナビゲーション」と呼ばれる新機能が搭載されている。これは本体のFnキーを押すことで、画面上に一覧表示された撮影情報(ISO感度やホワイトバランス、絞り、シャッタースピードなど11項目)にアクセス可能となり、マルチセレクター(十字キー)と電子ダイヤルを利用して、その値を簡単に変えられるというものだ。
この機能で面白いのは「Dレンジオプティマイザー」(画像の領域ごとに階調の最適化を行う機能)や「クリエイティブスタイル」(色作りのプロファイルの切り替え)の設定値をスピーディーに変えられる点である。こういった画作りの設定は、従来であればメニューの深い階層をたどらなければ、変更できなかった。
写真を撮る楽しみ・喜びをカメラが阻害してはいけない
α700のプロダクトマネージャーを務めたAMC事業部 設計部の佐藤 充氏は「写真を撮る楽しみ、喜びを少しでも損なわないようにどうすればいいかを考えて、手間のかかるメニュー画面を経ず、ダイレクトにアクセスできるようにした」と話す。
取材の際、開発者の言葉の端々に登場したのが“写真を撮る楽しみ・喜び”だった。撮影することに集中できること、カメラを無意識に操作できるような設計にしていることが、α700の大きなコンセプトであるという。
もちろん、どんなカメラでも使い込んでいけばある程度慣れることができる。必要な情報も自然に呼び出したり変更できるようになるだろう。しかしα700では、この「慣れるまでの時間」「自然に操作できるようになるまでの時間」が他のカメラよりも圧倒的に短いのではないかと考える。
筆者は普段はニコンのD200を使用しているが、取材後数日間α700を試用している間に、この操作性の良さに惚れ込んでしまった。頻繁に設定変更する「ISO感度」「ホワイトバランス」「コントラスト」「シャープネス」「彩度」といった設定項目に非常にすばやくアクセスできるのである。実際、返却するのが惜しくなってしまったほどだ。