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IT業界動向を知ろう! ~転職天気予報~ 第3回

金融業界の再生・再編 需要が急拡大の金融系システムエンジニア

2006年10月17日 00時00分更新

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金融系の面接で重視されるのは人柄と経験や実績

 一口に金融業界といっても多様な企業があります。私どもでは、銀行・証券会社・生命保険会社のほか、クレジット会社・リース会社・監査法人なども金融業界としています。そして、そこで働いているシステムエンジニアやコンサルタント、金融業務や金融業界のプロジェクトに携わっているシステムインテグレータなどを、まとめて金融系システムエンジニアと呼んでいます。ただし、銀行・証券会社・生命保険会社では、たいていプログラミングなどの業務をアウトソーシングに任せています。したがって現在、金融系システムエンジニアは上流工程の職業となっています。上流行程へのキャリアアップを目指している人には、またとないチャンスではないでしょうか。

 また、金融系システムエンジニアの求人は、取得資格を問われることがほとんどありません。転職に際して重視されるのは、スキルや知識よりも経験です。通常のシステムエンジニアからの転職の場合、しっかりとしたシステム開発に3~5年くらい携わってきたこと、上級システムエンジニアやアプリケーションエンジニア、ITアーキテクトであれば、5年以上の経験や実績、SOX法や金融に関する知識(金融業務や会計など)が条件となります。また、証券システムやネットワーク情報工学の知識がある人も歓迎されるでしょう。

 さらに金融系の転職全般に言えることは、人物そのものが重視されるということです。お客様の資産を扱うことになるので、信用第一であることは昔も今も変わりません。能力や経歴の差がわずかであれば、人柄が優先されるのが金融系の転職市場です。清潔感、朗らかさ、礼儀正しさ、身だしなみ、時間厳守などすべてにおいてキッチリできる人材が歓迎されます。また、金融業界では特に堅牢で安定したシステムを要求されます。面接などでは、自分がこれまで携わったシステムに関する信頼性、堅牢性を全面に出すことが基本になります。金融業界の知識を持っていれば有利ですが必須ではないので、その点だけで転職をあきらめる必要はありません。

 金融業界が再編されて新たな動きが出てきたことで、企業は明確なロードマップを描けるようになりました。3年後や5年後までの計画を立ててシステムを構築している企業も多々あります。そうした話は面接でも聞けるので、企業のロードマップに合わせて自分のスキルアップを図ることを考え、転職先を選ぶこともできます。また、金融系シシテムエンジニアは、収入面においてもおすすめできる職種の1つと言えるでしょう。

できればもっていたい資格

  • 今回の金融系システムエンジニアは取得資格を問わない。まずは何より経験重視!

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