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企業向けだけではダメ、直販だけでもダメ──デル社長がコメント

2007年09月05日 17時58分更新

文● 小浜雅胤(編集部)

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ジム・メリット氏

ジム・メリット氏

 デル(株)が5日に開催した事業戦略説明会。その席上で同社代表取締役のジム・メリット氏は、2007年第2四半期(2007年6月~8月)の業績と今後の事業展開について説明した。

 「国内におけるデルの市場シェアーはこの7年間は右肩上がりの成長を遂げており、直近の第2四半期において過去最高となるシェアー2位を獲得した」(ジム・メリット氏)

 ここでいう国内市場とは企業向け製品とコンシューマー向け製品の両方を含む。

 好調な売上に最も貢献したのが、大企業向けの統合ソリューションだ。これは売上の50~55%を占めている。同社の調査では、市場を大企業向けビジネスだけに限定すると、デルは国内1位のシェアーを持つことになる。また中小企業向け製品は全体の35~40%を占め、こちらも中小企業向け市場では、過去最高のシェアーだという。

国内市場シェアーの推移(デル調べ)

国内市場シェアーの推移(デル調べ)



ダイレクト販売だけでなく、量販店へも販路を広げる


 このように企業向け製品で好調なデルだが、コンシューマー向け製品では、苦戦を強いられてきた。コンシューマー製品が同社の売上に占める割合は全体の12~15%程度。また、シェアーでも国内5位にとどまっている。ジム・メリット氏はコンシューマ市場を“競争が厳しい分野”であるとしたうえで、次のように述べる。

「デルが国内市場で1位を獲得するためには、コンシューマ分野を大きく成長させることが重要だ。そのためには、ダイレクト販売だけでは足りない。ビックカメラを通した小売販売など、新たな顧客へのアプローチを進めていく(関連記事)。また、軽量・省スペースといった、日本市場に特化した新製品の投入にも注力していくつもりだ」


【解説】国内のパソコン市場

 参考までに、(株)MM総研の調べによる国内パソコン出荷概要を引用しておく。2006年度(2006年4月~2007年3月)の国内パソコン出荷台数は、前年度比3.9%減の1302万5000台、出荷金額は前年度比9.3%減の1兆5600億円となっている。シェアー別のランキングは1位がNEC、2位が富士通、3位がデル。これに4位の東芝、5位のソニーが続く。デルの発表した資料と照らし合わせると、デルが富士通を抜き2位になったということが予想できる。

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