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楽譜作成ソフト

レビュー:「聴こえる楽譜」Finale SongWriter

2007年09月06日 12時00分更新

文● 祐天寺浩美

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譜面作成にとどまらないDTMソフトとしての魅力


 本ソフトは譜面作成ソフトという位置づけではあるが、音も出せるうえにマルチトラックで曲を作れるため、DTMソフトとしての側面も併せ持つ。譜面をきれいに出力するのみならず、入門者向けDTMソフトの中では珍しく、外部のMIDI音源をコントロールする機能も備える。GarageBandのようにループから音楽を作るのではなく、シンセサイザーなどを利用しながら、メロディーからきっちり曲を作る人にはうれしい機能だろう。

MIDI機器とMIDIインターフェース、ケーブルさえあれば、外部の音源を読み込める。あとは「MIDI」メニューの「Audio MIDI」設定からMIDI音源の装置を追加すればいい。この価格帯のソフトでは非常に珍しい機能だ

 また、楽譜を再生する際はQuickTime音源だけでなく、「SmartMusicソフトウェアシンセサイザー」というオリジナルの音源も使用できる。高品質な音で曲の再生が可能だ。さらに、再生中の音にプロのミュージシャンが演奏しているようなニュアンスを追加する「Human Playback」機能や、楽譜のコード進行を読み取って自動的にハーモニーを付ける「自動ハーモニー」機能などもあり、DTMソフトとしても十分活用できる。

テンポや音色、音の強さなどのパラメーターを設定して生演奏のような雰囲気を演出。この設定はMP3などに書き出したファイルにも適用される

コード進行がきちんと入力されていれば、自然なハーモニーを自動的に作成できる。スタイルは収録されたプリセットから指定可能だ


【Conclusion】
○  この機能でこの価格というのは驚き。ホビーユースで使うには十分な機能を搭載している。上位版の「PrintMusic」が少しかすんでしまうほどだ。

×  譜面のレイアウトを変えられないなど細かい機能制限が多い。プロの譜面作成ソフトとしては厳しいだろう。譜面ソフトとしてのユニークな特徴はない。

(MacPeople 2007年10月号より転載)

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