ポイントプログラムやフランチャイズも視野に
後半は、(株)電通国際情報サービス執行役員の渡邊 信彦氏から、セカンドライフの第3世代に向けた“ポイント変換プログラム”や“フランチャイズシステム”など、インフラ研究についてのプレゼンテーションがあった。これらは、現在、法整備などの問題を考慮している段階だが、未来のニーズに向けて、すぐに技術の提供ができるようにと研究を進めているものだという。
また、インターネット研究の第一人者でもある村井 純氏は“慶應義塾大学のセカンドライフキャンパス構想”とあわせて、自らが現在描くインターネットの未来像について話した。
正規科目の講義をセカンドライフでも開始
慶應義塾大学では、90年代の早い時期からインターネット研究をしてきた。当時から、湘南藤沢キャンパスの学生たちにはノートパソコンが配布され、インターネット経験者を対象にアンケートをとるなどの検証も行なわれていたという。
「e-ラーニングへの取り組み方としては、リアルでは取り組めない理想像をやってみようというやり方と、リアルで実際に行なわれている内容をどこまで実現することができるのかというチャレンジのふた通りがある。慶應大学では、後者に取り組んでいく」(村井氏)
慶應大学では、まずは9月からセカンドライフキャンパスで正規科目の講義を行なうという。
パイオニアは苦労するもの
Q&Aセッションで村井氏は、ある記者から「セカンドライフは、(以前のパソコン通信サービスで飛躍を果たしながらも、ほかのサービスとの接続性を拒み続けた)AOLの二の舞にならないか」と問いかけられた。
「セカンドライフに限らず、パイオニアは苦労するもの。ユーザからの声が出てきて、マーケティングやテクノロジーなどが変化していく。もろもろの懸案事項はあるだろうが、苦労しながらも解決されていくものと楽観的に見ている」(村井氏)
さらに村井氏はセカンドライフに関して「インタラクティブなインターフェースであり、現実の写像から展開できるプラットフォームだ。リアルの人間社会そのものがバーチャル空間に移っていくことへの興味は尽きないし、そのための技術への取り組みにも面白みを感じている」とも述べていた。