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世界陸上や慶應義塾大学のバーチャル講義も

電通、スキージャンプも楽しめる、Second Life内の仮想都市“バーチャル東京”を開始

2007年08月24日 20時17分更新

文● 遠竹智寿子

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(株)電通は23日、“Second Life”(セカンドライフ)内に24日から開設する、仮想都市“バーチャル東京”のプレスプレビューを行なった。

電通がバーチャル東京内で展開する“スキージャンプ・ペア国際大会”や、(株)東京放送(TBS)と共同で放送予定の“世界陸上”と連動するイベントの内容を報道関係者に公開するものだ。

会場風景

プレスレビューには多数のメディア関係者が詰め掛けた



スポーツやミュージアムもあるセカンドライフの東京


前半はパネルディスカッションという形式。電通の粟飯原 健氏、キューエンタテインメント(株)代表取締役CCOの水口哲也氏、映像作品『スキージャンプ・ペア』の生みの親、真島理一郎氏(IDIOTS)といった面々が登壇した。ナビゲーターは、アスキー取締役の福岡 俊弘氏。

パネルディスカッションの風景

左から アスキー・福岡氏、電通・粟飯原氏、水口氏、真島氏

バーチャル東京は、セカンドライフのSIM16個ぶんのスペースに構築されている。SIMとはセカンドライフの土地単位で、1SIMのサイズは256×256メートルに相当する。全体にエンターテイメント性のあるコンセプトを持たせ、中核の4つのSIMに“映像”“スポーツスタジアム”“スキージャンプ台”“ミュージアム”が設けられている。その周りのSIMには、企業SIMが配置される計画だ。

バーチャル東京

バーチャル東京の予定図



観光名所が作りたいわけではない


バーチャル東京の総合プロデュースを行なう水口氏は、今回の“東京“にこめられた意味は「(リアルな)場所を意識したものではない」と話す。

「グローバルな世界の中での東京が持つ独特のポップ感エネルギーユニーク性といったイメージを表現するもので、そこに東京タワーや観光名所といったものを作るという構想ではない」(水口氏)



国際大会が開けるとはうれしいと真島氏


スキージャンプ・ペアは、真島氏によるデジタルハリウッド大学卒業制作だ。世界的なアニメーション映画祭で入選を果たしたあと、2003年にavexよりDVDがリリースされ、累計50万本を超える大ヒットとなった。

スキージャンプ・ペア

バーチャル東京では、今まで映像でしか見ることのできなかった作品にユーザが参加し、楽しめることが、大きな特徴となる。その中で、定期的に国際大会をはじめとするイベントをしかけ、セカンドライフを盛り上げていく。

真島氏は「以前“最終的な目標は、世界大会を開くこと”と夢のように思いながら語ったことがあったが、セカンドライフの中でそれが現実のものとなるなんて本当に楽しみだ。映像を好きで見てくれた人たちの中から、自分でもやってみたいという声が多かったのは事実で、だからこそ実現できるという感触を持っている」と語った。(真島氏)



3人にひとりが「そのうち廃れる」と言っても


途中、進行役の福岡氏から「今、メディア関係者が3人集まると、セカンドライフの話題が何かしら出てくる。しかし、そのうち一人は『そのうち廃れるだろう』といったアンチセカンドライフ派だ。どうなんだろう?」と話が振られる一幕もあった。

これに対して水口氏は以下のようにコメントした。

「セカンドライフがどうなっていくかよりも、3Dアバターを使って参加できる新しいタイプのメディア(ができたということのほうが重要)ではないか。インターネットが登場した時にも大きな衝撃も受けたが、それが3Dになり、肉体感覚をともなっていろいろできる感覚は大きなストリームになっていくと思う」(水口氏)



広告メディアの可能性を模索しているのは間違いないが


粟飯原氏は「広告代理店としては、セカンドライフの広告メディアとしての可能性を見ていることには間違いないが、現状でそこだけをフォーカスしても成功しないし、もったいない」と話す。

「セカンドライフは、仮想と現実の間をつなぐ半仮想の世界。頭の中に入っているモノを具現化していくものすごいツール。そのツールをつかって、意識の底にある想像力をバーチャル東京で表現できればよいなと思っている」(粟飯原氏)

セカンドライフへの企業参入の話題が賑わう中、多くの大手企業はまだ様子見の状態。だが、その関心は非常に高く、先日、電通とデジタルハリウッドが一緒に取り組む“セカンドライフ研究会”の第1回企業向けセミナには、96社、300人の参加があったほどだ。

電通は、24日正午の“バーチャル東京スタジアム”(SIM名:Tokyo4)オープンを皮切りに、9月中旬に“スキージャンプペア”(SIM名:Tokyo3)、9月下旬に“慶応義塾大学セカンドライフキャンパス”(SIM名:Tokyo9)を9月下旬に随時オープンしていく。

バーチャル東京スタジアム

バーチャル東京スタジアム

企業出展に関しては、複数の国内企業と調整中。9月下旬以降、各社プレスリリースにて発表とのこと。電通が受けるセカンドライフ案件のすべてが、バーチャル東京に属するというものではなく、独立した形で請け負うものもあると説明する。ビジネスモデルとしては、出展料やイベントへの協賛が収益源となるとしており、1年以内には30社の出展を見込んでいる。

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