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知られざる世界戦略製品に倣う

ニッポンで作る 世界で勝つ!

2007年09月10日 12時00分更新

文● 岡本善隆(月刊アスキー編集部)、写真●小林 伸

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文● 岡本善隆(月刊アスキー編集部)、写真●小林 伸

富士通島根工場の様子

経済がグローバル化した現在、世界から目を背けたビジネスは今後成立しえなくなってくる。一方、産業の空洞化が叫ばれた一昔前とはうってかわって、昨今は国内回帰ラッシュ。「亀山」や「尼崎」がもてはやされてもいる。

日本発製品の強みはどこにあるのか? 世界を相手に成功する秘訣はなにか? 成功事例を元に、世界戦略のヒントをお届けする。



トータルで海外生産を上回る、パソコン製造を島根で見た


パソコンメーカーの多くが生産を海外拠点や委託製造に移行する中、ノートパソコンのほぼ全量を国内で製造するのが富士通だ。

山森章朗氏
株式会社島根富士通代表取締役社長の山森章朗氏

その拠点が島根県斐川町に位置する株式会社島根富士通である。2006年度には約230万台を製造。そのうち約100万台は海外へ輸出している。

ではなぜ富士通は国内での生産にこだわっているのだろうか。

パーソナルビジネス本部本部長代理の五十嵐一浩氏は「純粋にコストだけなら中国に勝るのは難しいかもしれない」と語るが、「スピードテクノロジー合わせ込み(すり合わせ)」の3つの利点があるという。

スピード」は国内の市場と工場の物理的な近さが大きなメリットだ。顧客の要求に即日対応でき、また海外製造のように輸送の時間も含めた在庫を持つ時間を短縮できる。

テクノロジー」は主に製造面。社内で研究された最新の製造技術をラインや製品開発に素早く反映できる。結果、品質の高さはもちろん、後述する「LOOX U」のような小型機のリリースも可能になる。

合わせ込み」も製造と設計の近さによる部分が大きい。製造現場から上がってきた部品削減のアイデアを設計で盛り込むなど、コストダウンに対しても効果を発揮する。

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