知られざる世界戦略製品に倣う
ニッポンで作る 世界で勝つ!
2007年09月10日 12時00分更新
文● 岡本善隆(月刊アスキー編集部)、写真●小林 伸
文● 岡本善隆(月刊アスキー編集部)、写真●小林 伸
製造現場である島根富士通では、2005年4月から、トヨタ自動車のコンサルタントによる指導のもと、トヨタ生産方式の導入を進めている。
そこで共通している考えはジャストインタイムによる滞留の削減と生産の平準化である。製造途中の部品がどこかに溜まってしまうと、それだけで確実に部品在庫によるロスが発生する。これを減らすことが大きな目標なのだ。
たとえば、プリント基板の生産ラインにある自動実装機は従来24時間稼働させていた。一方で、その後の検査、組み立て、テストといった作業は2交替の20時間体制だった。これでは中間に滞留が発生する。
そこですべての工程を2交替22時間体制に移行した。実装機の稼働時間は減ったが、滞留は無くなり、空いた2時間で機械の計画的なメンテナンスやトラブル発生時のフォローが可能になり、結果として効率が良くなったという。
【コラム】製品・パーツの滞留を防ぐ工夫があちこちに
(1) プリント基板の自動実装機。作られた基板は外観を自動でチェックする機械に通し、不良と判断されたものは人間の目によって確認される。
(2) 半田クリームを収めた、自動販売機を改造したマシン。ここに入っている間は部材メーカーの在庫として扱われる。
(3) マシンの動作チェックとソフトの自動インストールを同時に行うエリア。前のビニールを閉め、背後から熱風を浴びせた状態でテストする。
(4) 基板やパーツは1台ごとバーコードで管理。その情報を元に最後に型番を印刷する。これにより梱包箱の種類を大幅に減らせた。