撮影時に使える様々な機能
撮影時の画面には、設定されている機能に応じたアイコンが表示されるほか、明るい場所で撮影した際に発生する“白トビ部分”をゼブラパターンで表示する機能も搭載されている。ほかに、マイクの入力レベルをリアルタイムでグラフ化して監視できる機能もついている。収録中の音声をモニターするために欠かせないイヤホン端子がないため、入力レベルの確認にはこの機能を使う以外はない。次期モデルでは、ぜひイヤホン端子も装備してほしいところだ。
マイク入力端子につないだオプションのマイクやライト、そのほか様々なアクセサリーを装着可能な汎用アクセサリーシューも装備されている。アクセサリーシューは、よく省かれたり、専用のシューになってしまったりすることが多いので、非常に嬉しいオプションといえる。
記録フォーマットはAVCHDじゃなくてMPEG
動画の記録方式は、HDD内蔵ハイビジョンビデオカメラではあたりまえになりつつある“AVCHD”方式ではなく、MPEG-1/2を採用する。AVCHDだと編集にCore 2 Duoクラスのマシンパワーが必要で、再エンコード処理などにも時間がかかる。しかしMPEGであれば、(今どきのマシンなら)さほど負荷をかけずに処理できる。
撮影モードは3種類用意されており、いずれも同じ解像度だが大きく分けて2種類ある。1つは、VBR(可変ビットレート)で記録されるXPモードとSPモード。VBRは、シーンの内容によって記録するビットレート(圧縮率)を変える方式であり、最大約30Mbps、平均が約26.6Mbpsとなる。もう1つは、“1440 CBR”(固定ビットレート)と呼ばれる方式で、約27Mbps固定での記録となる。今回、SDモードによる記録は用意されていない。ちなみに、記録時間はXPモードおよび1440 CBRで約5時間、SPモードでは約7時間となっている。
静止画記録は、1920×1080ドットでの記録が可能で、保存場所は、HDDであれば9999枚の撮影が可能であり、SDHCカードを使用した場合でも4GBであればファイン画質(最高画質)でも約4320枚の保存が可能だ。さすがにこれだけの保存枚数があれば困ることはないだろう。
暗い場所でのちょっとした撮影に便利なLEDライト
一見、感光センサーと見間違えるようなLEDライトは、GZ-HD7にはなかったもので、この製品の目玉機能の1つといえる。このライトは、強い光で光るわけではなく、白くやさしい光で、例えば子供の寝顔を撮影するといった用途には有効といえるだろう。最低照度18ルクス(ナイトアイ使用時は1ルクスまで可能)と、それほど暗所性能は高くないため、暗い場所ではLEDライトと合わせた撮影を行ないたい。
パソコンでの閲覧と取り込みは専用ソフトが必要
GZ-HD3をUSBでパソコンと接続すると、パソコンからはリムーバブルHDDとして認識される。動画の元ファイルのバックアップには、付属のソフト『PowerCinema NE for Everio』を使う(Windowsの場合)。大容量のHDD(60GB)を搭載しているとはいえ、容量には限りがある。こまめにパソコンへとバックアップを行なうか、もしくはDVDに焼くという習慣をつけておくといいだろう。そこで、ダイレクトバックアップボタンを活用したい。
撮影した動画のファイル形式は、MPEG形式ではあるが“.TOD”という独自の拡張子となっており、パソコンで閲覧する際にもPowerCinema NE for Everioが必要になる。編集する際には付属のソフト『PowerDirector 5 NE Express』が使えるが、普段使いなれた動画編集ソフトがある人はそちらを使いたいもの。ただし、ほかのソフトで編集する場合は、TOD形式のファイルをMPEG形式に変換する必要がある。できれば、独自の保存形式ではなく、MPEG形式であるとよかった。TOD形式は、筆者の使用する『Adobe Premiere CS3』においてもサポートされていない。このあたりの改善も次のモデルに期待したいところだ。