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ファミリー層を意識しつつも本格的な撮影要求も満たすHDDカム

【レビュー】Everio GZ-HD3

2007年08月14日 20時00分更新

文● 原 一浩((株)エフエックスビイ/Design Wedge)

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豊富な入出力端子とその使い勝手

GZ-HD3は、豊富な入出力端子を備えている。外観を見ながら、入出力をチェックしてみることにする。

本体前面。左下のカバーを開けるとマイク入力端子とminiUSB端子がある

本体前面。左下のカバーを開けるとマイク入力端子とminiUSB端子がある

正面には、マイク入力端子とUSB端子(ミニB端子)がついている。マイク入力端子は、よりいい音でビデオを撮影したい人にとっては欠かせない。家庭向けといってもここを削らなかったのは素晴らしいと評価できる。マイク入力端子は、“プラグインパワーマイク対応”であり、ステレオミニプラグと呼ばれる端子である。プラグインパワーマイクというのは、マイクの電源をカメラ本体から供給可能なタイプであり、プラグインパワーマイクでない場合、別途マイク用の電池が必要となる。ただ、加えてもうひとつ希望を言えば、収録音声をその場でモニターできるヘッドフォン端子がついているとなおよかったのだが

レンズカバーはスライド式のシャッターで、レンズ下のレバーにて手動で開閉を行なう

レンズカバーはスライド式のシャッターで、レンズ下のレバーにて手動で開閉を行なう

ビデオカメラの命ともいえるレンズは、“KONICA MINOLTA HD LENS”を採用している。映像素子は、1/5インチプログレッシブCCDを採用しており、57万画素×3枚という構成だ。レンズのフィルター径は43mmで、市販のフィルターなどが使用可能。レンズカバーは、蓋のようにはめるタイプではなく、スイッチにより内蔵のシャッターが閉まることでレンズを保護できるという仕組みになっている。ただし、シャッターは自動的に開閉するというタイプではなく、スライドスイッチにより開閉するため、しばしば、カバーが閉じたままの状態で撮影しようとしてしまうことが何度かあった。カバーの開閉は、電源に連動して自動開閉ができるようになると、より使いやすくなるだろう。ちなみに、レンズカバーが閉じていると、警告が出るという仕組みになっており、間違えてレンズカバーを閉じたまま撮影してしまう心配はない。

液晶モニターをあけると、本体側に4つのボタンがある

液晶モニターをあけると、本体側に4つのボタンがある

側面はグリップ側には端子はなく、液晶モニターを開いたところにS端子がついている。ちなみに、内蔵ディスプレーは16:9ワイド型で2.8インチのサイズだ。また、S端子の上には“再生/撮影ボタン”“Auto/Infoボタン”“メニューボタン”“イベント/ダイレクトバックアップボタン”がついており、メニューボタン以外は、再生時と撮影時で機能が異なる。撮影時にAutoボタンを押すと、マニュアル撮影モードとオート撮影モードの切り替えが可能だ。

イベントボタンを押すと、イベントによって動画をカテゴリー分けすることができる

イベントボタンを押すと、イベントによって動画をカテゴリー分けすることができる

ここで、見なれないボタンである“イベントボタン”について少し触れたいと思う。大容量のHDDを搭載したビデオカメラの場合、記録される映像の数も大量になる。そこで、GZ-HD3ではイベントという機能を使って記録したファイルをワンタッチでカテゴリー分けできるようになっている。

このイベント機能は、スポーツ、子供、といった様々な利用シーンに合わせて“カテゴリー”を映像1つ1つ付けていけるというもので、例えばスポーツの動画だけをまとめるという使い方ができる。また、イベントボタンに割り当てられている“ダイレクトバックアップ”の機能は、パソコンとUSBケーブルを使って接続している時に使用可能になるボタンで、パソコンへの動画の保存がワンタッチでできるようになっている。頻繁に動画をパソコンに取り込む人にとっては便利な機能だ。

液晶パネルは、タッチパネル方式ではないが、使いやすい位置にボタンが並んでいる

液晶パネルは、タッチパネル方式ではないが、使いやすい位置にボタンが並んでいる

HDDの空き容量はグラフィカルでわかりやすい

HDDの空き容量はグラフィカルでわかりやすい

バッテリーの残り容量は細かく表示される

バッテリーの残り容量は細かく表示される

液晶パネルには、記憶容量やバッテリーの残量表示、撮影したビデオのインデックス(目次)表示機能ボタン、ビデオの撮影や閲覧時に様々な設定を行なうファンクションボタンがある。パネル側面に配置されたこれらのボタンによりビデオの様々な管理を行なう仕組みだ。また、設定時の項目の選択やインデックスの操作、撮影中のモード変更などは、インデックスボタンとファンクションボタンの間にあるスティックを使う。このあたりは、ビクターのビデオカメラを使ったことがある方にはおなじみの仕様といえる。

マニュアルモードは、シャッタースピード、絞り、ホワイトバランスなど、充実している

マニュアルモードは、シャッタースピード、絞り、ホワイトバランスなど、充実している

フォーカスには、自動でピントを合わせる“オートモード”と、手動でマニュアルを合わせる“マニュアルモード”、および背景をぼかしてマクロ撮影ができる“テレマクロモード”が用意されている。マニュアルモードで撮影する際に不安になるのがピントの確認だが、高い解像度を持つハイビジョンのフォーカスを確認するには2.8インチの内蔵ディスプレーでは少々不安である。この不安を和らげてくれるのが、“フォーカスアシスト”という機能だ。これは、撮影時にピントがあっている部分のみに色をつけて表示してくれるというものだ。マニュアル撮影時には、ぜひ利用しよう。

背面の入出力端子は非常に充実している

背面の入出力端子は非常に充実している

背面は、電源ケーブルを差す場所や外付けバッテリー、電源スイッチといった電源周りや映像の入出力端子が備え付けられている。電源スイッチは、ビデオカメラでよく見られるタイプの回転型の起動スイッチで、静止画撮影モードと動画撮影モードの切り替えスイッチも兼ねている。また映像、音声の入出力端子は豊富で、i.Link(IEEE 1394)やHDMI、コンポーネント端子を備えている。

ズームレバーのすぐ近くに静止画用のシャッターがある。すぐにボタンを押せる位置であり、非常に便利

ズームレバーのすぐ近くに静止画用のシャッターがある。すぐにボタンを押せる位置であり、非常に便利

筐体の上部にはズームレバーと、静止画用のシャッターがつく。ズームレバーは、ビデオ再生時のボリュームコントロールとしても機能する。ズームは、通常光学5倍ズームが搭載されているが、デジタルズームと合わせて40倍、200倍といった設定も行なえる。

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