米アップル社は30日、同社のコンテンツ配信サービス“iTunes Store”にて、デジタル著作権管理(DRM)を取り除き、音質を向上させた“iTunes Plus”の販売をスタートした。価格は、1曲あたり1.29ドル。日本のiTunes Storeでも1曲200円から販売が始まっている。
動作にはiTunes 7.2が必要。iTunes Plusの曲はDRMがないため、手持ちのパソコンやiPodなどに制限なくコピーできる。配信形式はAACで、ビットレートは256kbps。スタート時のiTunes Plusに含まれる楽曲は英EMI社のコンテンツで、Coldplay、The Rolling Stones、Norah Jones、Frank Sinatra、Joss Stone、Pink Floyd、John Coltraneといったアーティストのアルバムが含まれる。
同時にiTunes Storeでは、500万曲以上の全販売リストを通じて、128kbpsでエンコードされたDRM付きの音楽も、1曲99セントで販売を続ける。iTunesユーザーがすでに購入した楽曲からiTunes Plusにアップグレードすることも可能。料金は1曲あたり30セント、もしくはアルバム全体で3ドルとなる。
アップルのスティーブ・ジョブズCEOは今回の発表に関して、「われわれの顧客は、自由ですばらしいサウンドクオリティーのiTunes Plusに関して非常に興奮している」、「われわれは、iTunes Storeにある半数以上の楽曲は、今年の終わりにはiTunes Plusバージョンを提供できると予測している」とコメント。また、EMIグループのエリック・ニコリCEOは、「これはデジタルミュージックにおける非常にすばらしい出来事」と語っている。
日本のiTunes Storeにも、“iTunes Plus”コーナーが新設されており、宇多田ヒカル、吉井和哉、千住明、本田美奈子、坂本冬美などのアルバムの販売が始まった。価格は1曲の場合は200円か270円、アルバムの場合は1500円か2000円だ。