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【レビュー】Filltuneで、骨伝導を体験してみた

Filltune HP-F100

2007年05月09日 20時00分更新

文● 編集部 小林久

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取り扱いには注意したい面も

HP-F100のアームの部分には、振動部分を頭にしっかりと密着させるためか、かなり強めのバネが仕込まれている。使用しない際には、振動部分がヘッドホンの内側に折りたたまれる形状となり、それなりにコンパクトに持ち運べるが、装着する際の取り扱いには少々難儀する。特にアームの部分が細めで不安定な印象があるので、もう少しソリッドに作ってもらったほうが安心感があるのではないかと思う。

Filltune

通常の状態では、ヘッドホン部分は比較的コンパクトなサイズになる

音質に関しては、一般的な密閉式のヘッドホンやカナル式のヘッドホンに比べると中域が抜ける印象があり、低域の重量感も不足しがちだった。これは骨伝導で伝わる信号の一部が、耳の穴から振動の一部が抜けてしまうためらしい。耳穴に指を突っ込んだり、栓をするとこの不満はかなり改善される。また音漏れも、密閉型のヘッドホンに比べると高めだ。満員電車など使用する際には、周囲に迷惑をかけないよう注意する必要があるだろう。

Filltune

頭部にしっかりと密着させるため、アーム部分には強めのバネが使用されている



アンプ側で音量調整したほうがベター

使いこなしの面で、もうひとつ覚えておくといいのは、音量調整の方法だ。

Filltune

アンプ部分。単4形乾電池3本で駆動する

具体的には、接続するデジタルオーディオプレーヤー(DAP)側の出力を高めに固定しておき、細かな調整をヘッドホン付属のアンプ側で行なうほうがよい。そのほうが音割れなどの影響が低く抑えられる印象だ。

骨伝導という方式の採用は、騒音の多い屋外での利用に適している。騒音の強い環境でヘッドホンを使うと、周囲の雑音に負けないようについつい音量を大きくしてしまいがちだ。大音量を継続的に聴くことで、耳が聞こえにくくなるいわゆる“ヘッドホン難聴”の問題も指摘されている。

骨伝導式のヘッドホンはその心配はない。また、耳の部分が開放されているため、周囲の音を聞き取りやすいというのも特徴だ。屋外で利用する際に安心というのはもちろんだが、音楽やテレビなどをひとりで楽しみながら、家族などと会話も平行して行なえる点なども魅力になるのではないだろうか。

Filltune

アンプ部分には、プレーヤーと接続するためのLINE-IN端子とマイクを接続するためのMIC端子がある。マイクを利用することで、補聴器として使うことも可能だ

アンプとヘッドホン部分は独自のコネクターで接続する。

第5世代iPodと大きさを比較したところ。若干大きめなのでかばんなどに収納するといいだろう



Filltune HP-F100の主なスペック
製品名 Filltune HP-F100
電源 単4電池×3本
バッテリー駆動時間 約10時間
本体サイズ 幅112×奥行き22×高さ103mm(ヘッドホン部)
幅32×奥行き134×高さ24mm(アンプ部)
重さ 約120g(ヘッドホン部)
約50g(アンプ部分、電池含まず)

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