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Virtual Earthの作り方

2007年04月26日 00時00分更新

文● 編集部

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3Dデータは自動的に作成される


「Virtual Earthの3Dマップは米Vexcel社の航空写真測量の技術を使って作成します。セスナ機から地上の写真を連続撮影していくことで、3D地図作成のほぼすべての工程が自動化されるのです」

※ Vexcelは、写真測量やリモートセンシングの技術を手掛けている会社。2006年にマイクロソフトが買収した

 マイクロソフト オンラインサービス事業部の網代正孝氏は記者の質問に対して、こんなふうに答えてくれた。

 どうやら人海戦術ではなかったようだが、自動的にという点に驚かされた。



あら不思議、真上からとっても立体的な画像ができる


網代氏

マイクロソフトの網代氏

 具体的な撮影手順をはこうだ。一定の高度を保ったセスナ機が、地面を垂直に連続で撮影していく。これにより、進行方向に対して80~90%重なった部分(オーバーラップした部分)を持つ、少しずつ撮影位置のずれた写真が何枚もできあがる。

 3Dデータは、この撮像データから地形の標高を抽出して作成される。独自の標高抽出ソフトウェアを利用することで、5枚の写真からほぼ自動的に標高を抽出できるのだという。

 その精度はどれくらいかと言うと、3年前に開発したβ版の段階で、撮影した画像の1ドットが地上の8cmになる高さから、156cmの門柱の標高を抽出した場合、7cmの誤差しかでなかいレベルだったという。現在のソフトウェアで、それよりも高い精度が実現されているのは言うまでもない。

航空撮影の解説図

図のように位置を変えながら、複数枚の写真を撮影していく。後述する最新の航空測量用カメラを利用して、東京23区全体をカバーするには5000枚強の画像が必要になる計算だという

 1列撮り終えたら平行方向にまたもう1列と飛んで面積をカバーしていく。その際前の列と60~80%サイドラップして飛ぶので、タテにもヨコにも重なり合った写真が撮れることになる。こうすることで、真上から写真を撮っているにも関わらず、建物の側面も撮影できるという。飛行機の位置によって、建物はあらゆる角度から撮影されることになるからだ。こうして撮影した写真は建物の外壁を描画するためのデータとしても利用される。

航空撮影の解説図

セスナは真下の写真を撮っているだけだが、撮影位置が変わるため、ひとつの建物をいろいろな角度から撮影しているのと同じになる

 Virtual Earthでは、撮影・標高抽出・ベクター化・CAD化などの複数のステップを経て3D都市モデルを作成するが、そのほとんどを自動処理化しているという。

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