ペンタックス(株)の『オプティオ(Optio) A30』は、同社のコンパクトデジタルカメラのラインナップで最上位モデルとなる1000万画素機だ。従来機『オプティオ A20』(関連記事)と同様に、1/1.8インチと大型の有効1000万画素撮像素子と、CCDシフト方式の光学式手ぶれ補正機能を引き続き搭載し、顔認識AF・AE機能を装備するのも変更ない。
ハードウェア面での改良は、新たに広視野角液晶パネルを搭載し、バックライト輝度を一時的に高める“LCDブースター機能”によって日中での視認性を高めていること。ただし、最も大きな変更点は電子的・ソフトウェア的なもので、光学式手ぶれ補正に採用するジャイロセンサーを高精度なものにし、制御アルゴリズムの改善によって手ぶれ補正能力を一般的な“2~3段分”から“2.5~3.5段分”へと向上させている点だ。さらに被写体の明るさに合わせて感度をアップする“Digital SR(シェイクリダクション)”モードでは最高ISO 1600だったものが、最高ISO 3200まで感度アップするようになった。Digital SRモードは画素混合技術を用いるため、記録画素数は500万画素(2592×1944ドット)に減るほか、通常撮影時と比べて撮影後に0.5秒程度の後処理が必要になる。
カメラ本体は沈胴式レンズによる横長の直方体形状だが、同社の得意とするレンズの一部が沈胴時に横にずれることによって全長を短くする“スライディング・レンズ構造”を採用しているため、厚みは23.5mmとスリムに抑えられている。背面の操作系も従来機と同様で、“MODE”ボタン(カーソルの下)を押すと画面いっぱいにアイコンが表示されるインターフェースが特徴的だ。
また、失敗撮影しにくいフルオート撮影“グリーンモード”用のボタンが用意されている点や、被写体の明るさなどから自動的にシーン選択を行なう“AutoPict(オートピクチャー)”モードが用意されているなど、ほかのオプティオシリーズと同様に簡単操作を重視した操作系となっている。とはいえ、プログラムAEモードの中には“シャッター速度優先”と“マニュアル露出”の2モードも用意されている。なお、絞りが2つ(F2.8/F8.0)しか用意されていないためか、“絞り優先”モードは持たない。