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Skype、『Skype 3.1』の公式版の提供を開始

2007年03月15日 17時27分更新

文● 編集部 小西利明

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ルクセンブルグのSkype社は15日、IP電話ソフト“Skype”の最新版『Skype 3.1』のWindows版のダウンロード提供を開始した。お気に入りスポットの情報を共有できる新機能“SkypeFind”が正式に実装されたほか、エンドユーザーが独自に有料音声通話サービスを構築できる機能“Skype Prime”のベータ版も実装されている。対応OSはWindows XP/2000。

岩田真一氏

Skype 日本オフィス ジェネラルマネージャーの岩田真一氏

“SkypeFind”

『Skype 3.1』の目玉機能が、“Wiki的電話帳”と称される“SkypeFind”である

同日、東京都内にて開かれた記者説明会では、Skypeの日本オフィス ジェネラルマネージャーの岩田真一氏により、Skype 3.1の新機能についての説明が行なわれた。SkypeFindを岩田氏は、「Wikiのような電話帳」という例えで表現した。SkypeFindはユーザー同士で共有される電話帳機能であるが、電話帳の各項目を、Wikiのように誰でも編集を行なえる点が特徴となっている。例えば、あるレストランを誰かがSkypeFindに登録したとする。すると、検索機能等でそのレストランの項目を見つけた他のユーザーが、そのレストランについての評価(レイティング)や情報を、加筆することができる。また、友人が新しい項目を追加すると、追加項目が自分にも通知される機能も備えている。

SkypeFindによる検索

SkypeFindでは、登録された項目をキーワードで検索、一覧表示する。Skypeから固定電話にかける有料の“SkypeOut”サービスと組み合わせての利用が基本となる

SkypeFindには、検索機能と連動するレイティング機能も組み込まれている。ある検索キーワードで上位に列挙される項目は、項目に対するレーティングと、実際にその電話番号に電話がかけられた回数に応じて判断されるという。例えば飲食店の場合は、レーティングでの評価が高く、電話をかけられた頻度の高い人気店ほど、検索で上位に表示されることになる。

項目の内容はユーザーが自由に追加、編集できる

項目の内容はユーザーが自由に追加、編集できる。評価もつけられる

SkypeFindは2週間のベータ版公開時点で約4500項目が追加され、データ消去後に公開された正式版では、すでに5000を超える項目が追加されているという。またSkypeでは15日から7月4日まで、“SkypeFindでゲット”キャンペーンを開催している。このキャンペーンでは、その月に最も多く通話をかけられた項目の登録者に、現金7万7500円がプレゼントされる。また毎週、週間で上位10位にランクされた項目の登録者に対して、400円のSkypeクレジット(Skypeでの有料サービス利用に必要なポイント)がプレゼントされる。

もうひとつの新機能Skype Primeは、ユーザー自身がSkypeを利用した有償の音声通話による情報提供サービスを構築できるという特異な機能である。情報提供者側はSkype 3.1上からSkype Primeの機能を選択し、自分が提供できる情報の名称、料金体系、料金の受け取りに使用するPayPalアカウントの設定を行なう。サービスを受ける情報利用者側は、知りたい情報について情報提供者側にSkypeを通じて電話をかける。提供者側は通話の成立後に、利用者側に対して支払いの承認をSkype上で求める。一方の利用者側は、金額や料金体系を確認の上で承認操作を行なうと、提供者側から必要な情報を通話により得られるという仕組みとなっている。利用者側はSkypeクレジットで支払い(米ドルまたはユーロ建て)を行なう。

Skype Primeの設定画面

Skype Primeでは、ユーザーが独自に有償の情報提供サービスを構築できる。料金体系も、サービスごとに自分で決められる

分かりやすい例で示すと、提供者側が“パソコン操作のアドバイス”というタイトルで、Skype Primeのサービスを登録する。料金体系は、“1分ごと”“1回の通話ごと”に何ドルといった形で、提供するサービスごとに指定できる。利用者はパソコン操作に関する質問があった場合、提供者宛にSkypeで通話を試みる。電話がつながり、サービスへの支払いが同意されたら、会話を通じて情報を提供する、という流れになる。

通話を受けた情報提供者の画面

通話を受けた情報提供者の画面。利用者側に提示するサービスを選択

利用者側の画面

利用者側にはサービスの名前と料金が示される。これでよければ支払いを行ない、情報を受ける

料金の30%は、Skype側に利用手数料として支払われる形になっている。サービスで提供できる情報はなんでもありというわけではなく、性的あるいは暴力的な情報、医療に関する相談、法律や税に関する相談については禁止事項とされている。また18歳未満の利用も禁止されている。禁止されている情報提供については、利用者からの通報に応じて処分が行なわれるという。

提供者側がPayPalアカウントを所持している必要がある点、また決済も円建てでは行なえないなど、問題点は残されている。しかしユーザー自身が独自に収入を得られるサービスをSkype上で提供でき、それによってSkype側も収入が得られるというなど、非常に興味深いシステムと言えよう。

SkypeではSkype Primeの提供者/利用者双方の拡大のために、情報提供者が自分のブログに貼り付けるための、宣伝用HTMLスニペット(定型文のパーツ)を、Skypeのサイト上で作成するサービスも用意する。利用者は情報提供者のブログに貼り付けられたスニペットから、手軽に情報提供者に接続できる。

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