日本HPは、ブレードサーバ「c-Class」にデュアルコアItanium 2を搭載可能で、ミッションクリティカルな用途に対応できる「Integrity BL860c」サーバブレードを追加した。
自社のデータセンターで求められる機能を集めた「第3世代ブレードサーバ」
ヒューレット・パッカードは過去にタンデム、コンパック、デジタルエクイップメントといった企業を買収し、それらの製品や技術を継承している。買収直後は合計200以上あったデータセンターは、最終的には3ヶ所に2つずつの冗長構成で、合計6つに集約される予定だ。日本ヒューレット・パッカード株式会社 取締役副社長執行役員 石積尚幸氏は、自社の新しいデータセンターで使用するために必要な機能を集めたものが、同社の第3世代ブレードサーバ「BladeSystem c-Class」であるという。同時にc-Classは、買収した各社の技術とHPの技術を集約した結果であるとも語った。
米ヒューレット・パッカード ビジネスクリティカルサーバ ワールドワイド プロダクトマーケティング ディレクター ブライアン・コックス氏は、企業のIT予算の多くが管理・運用に使われ、イノベーションに使える予算の割合が少ないことを指摘、これまで分散化していてムダの多かったIT資産を、統合化・仮想化により効率良く使用していく必要性を訴えた。
今回発表されたBL860cは、デュアルコアのItanium 2を搭載可能であり、大規模な3層システム(エッジサーバ、アプリケーションサーバ、バックエンドのデータベースサーバ)におけるバックエンドに相当するものだ。しかしエンクロージャーや管理コンソールはx86ベースのサーバと共通だ。そのため3層のシステム全体がブレードシステムに統合できるようになったわけで、HPの唱える「Blade Everything」が一歩前進したと言える。
データベース用途に適したBL860c
最後に日本ヒューレット・パッカード株式会社 エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 ビジネスクリティカルサーバ製品本部 サーバプロダクトマーケティング部 部長 森成隆氏が登壇し、Integrity BL860cに関する説明が行なわれた。Integrity BL860cは、デュアルコアItanium 2を2個搭載可能なサーバブレードで、高さ10Uのc-Class向けエンクロージャーに最大で8台搭載可能だ。加えて最大搭載メモリ容量が48GBと大きいため、オラクルなどデータベース用途に適しているという。OSは同社のUNIXであるHP-UX 11iのほか、Red Hat Enterprise Linux、Windows Server 2003(2007年下半期にサポート予定)に対応する。
メモリモジュール上のメモリが2つ故障してもシステムに影響を与えない「ダブルチップスペアリング」機能を備え、メンテナンスによる停止回数を減らすことが可能だ。またラックマウント型サーバと比較して省電力化を実現しており、台数が増えるほど電力効率が上がる。実際、サーバ8台で比較すると消費電力は35%低くなるという。
価格はBL860c本体にシングルコアItanium 2 9010(1.6GHz、6MB 2次キャッシュ)1個搭載したモデル(メモリ、HDDを含まない)で35万8050円(税込)から。