このページの本文へ

日本オラクル、「Oracle TimesTen In-Memory Database 7」を発表

2007年03月07日 18時31分更新

文● 渡邉 利和

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

日本オラクルは、メモリ上で動作する軽量・高速なデータベース・エンジンの最新版「Oracle TimesTen In-Memory Database 7」を発表した。組込用途に加え、エンタープライズ・システムのフロントエンドでの利用も想定する。

Oracle Databaseのフロントエンドとしての利用を想定

 「Oracle TimesTen 7」は、2005年6月のTimesTen買収によってラインナップに加わったデータベース・エンジン。アプリケーション・サーバのメモリ上にデータ・ストアを展開するため、容量の制約はあるものの、高速なアクセスを可能にする。主な用途は組込システム(Embedded System)としての利用だが、オラクルでは高速なアクセス性能を活用し、エンタープライズ・システムのフロントエンドに配置し、バックエンドのOracle Databaseのキャッシュとして利用する方向性を打ち出している。

 日本オラクルの常務執行役員 システム製品統括本部長の三澤 智光氏は、「顧客要因として、次世代ネットワーク網(NGN)、Web 2.0、自動取引の普及などがあり、技術要因として64ビット・サーバ、高速ネットワーク、センシング技術(RFID)などの普及といった要因があり、両者が合わさることで超高速インメモリ・データベースの需要が拡大している」とし、インメモリ・データベースの市場性を明らかにした。

日本オラクル 常務執行役員 システム製品統括本部長 三澤 智光氏
日本オラクル 常務執行役員 システム製品統括本部長 三澤 智光氏
NGN、Web 2.0などの普及と、ハードウェアの高速化という技術的要因が合わさることで、インメモリ・データベースへの需要が拡大
NGN、Web 2.0などの普及と、ハードウェアの高速化という技術的要因が合わさることで、インメモリ・データベースへの需要が拡大

 TimesTen 7では主な展開領域として、“Embedded”(タイム・クリティカルな機器への高速データベースの組み込み)と“Real-Time Enterprise”(Oracle Databaseと連携した高速アプリケーション実行基盤)との2つを掲げている。組込市場では、大量のデータを保持しつつ高速な処理を実行することが求められる機器での利用が想定される。具体的な採用例として、同日付でNECがNGNサービスの中核をなすソフトウェア・プラットフォーム製品群「NC9000シリーズ」の一部でTimesTenが採用されたことが公表されている。

「タイム・クリティカル」な機器への組み込みが想定されるOracle TimesTen
「タイム・クリティカル」な機器への組み込みが想定されるOracle TimesTen
組み込み用途、高速アプリケーションのプラットフォームという2つの領域への展開が検討されている
組み込み用途、高速アプリケーションのプラットフォームという2つの領域への展開が検討されている

 一方、エンタープライズ・システムでは、多数のユーザーに対してオンライン・サービスを提供する事業者などでは、データベースへの大量のアクセスが発生するという現状がある。これを高速化するために、現状ではアプリケーション層にそれぞれ独自に高速化のための独自コードを作り込んで対応しているが、この部分をTimesTenで置き換えることで、開発負担を大幅に低減できるという。実際に、大手金融機関等からも関心が寄せられているという。

高速性が求められる大規模システムのインフラとしても有効なOracle TimesTen
高速性が求められる大規模システムのインフラとしても有効なOracle TimesTen

 TimesTen 7では、Oracle Database 10gとの互換性を強化し、動的なキャッシュ機能をサポートすることで、「Oracle Database 10g」のデータ・キャッシュとして、アプリケーションの高速化が可能となる。

 また、Oracle Database 10gとの組み合わせを想定した機能として、あらたに「動的データローディング」と「自動データエージング」が実装された。動的データローディングは、リクエストに基づいて、Oracle Database 10gから動的にレコードをTimesTen 7のデータストアにロードするもの。逆に、自動データエージングでは、使用頻度の低くなったTimesTen 7上のキャッシュ・データをOracle Database 10gに書き戻して自動的に削除する。これらの機能により、TimesTen 7をOracle Database 10gと組み合わせて利用する場合に、キャッシュ機構を独自に開発する必要がなくなり、開発負担が低減される。

 なお、TimesTen 7は、TimesTen買収の後、Oracle社内で開発されたバージョンとなり、他のOracle製品と同様に無期限でサポートが提供される「ライフタイム・サポート・ポリシー」が適用されるようになったことも大きな変更点といえる。

 価格はデータストアサイズが2GB以下の場合、プロセッサ当たり150万円(税別)などとなっている。出荷開始は4月3日より。

■関連サイト

カテゴリートップへ

ピックアップ