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小島寛明の「規制とテクノロジー」 第65回

ルワンダはいかにエボラの感染拡大を防いだか

2020年03月09日 09時00分更新

文● 小島寛明

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ルワンダの首都キガリの中心部。筆者撮影

 2本の飛行機を乗り継ぐ20時間ほどのフライトを経て、現地時間2月22日午後にルワンダの首都キガリに降り立った。

 同国を訪れたのは、神戸市が実施した、起業家精神を育むプログラム「KOBE STARTUP AFRICA」の同行取材のためだ。

 空港で待っていたのは白衣とマスクを身に着けた係官だった。係官から簡潔な質問が飛んでくる。

 「熱は?」
 「ない」
 「せきは?」
 「いいえ」
 「最近中国人と接触したか?」
 「してません」
 「コロナウイルスの感染者と接触したことがあるか?」
 「たぶん、ない…と思います」
 「OK、 行っていい」

 ルワンダの国境は、新型コロナウイルスによる肺炎が流行する以前の2019年夏ごろから緊張状態にある。

 同国の国境に近いコンゴ民主共和国東部の街ゴマで、エボラウイルス病(エボラ出血熱)の感染者が確認されたからだ。

 エボラウイルス病のエピデミック(流行)は2018年8月から続いており、コンゴ民主共和国とウガンダで感染者が確認された。

 このところ感染者が確認されるペースは減速しているものの、2020年2月25日現在、3444例(134の疑い例を含む)が報告され、2264人の死者が出ている。致死率は66%にのぼり、3人中2人が死亡していることになる。

 キガリ国際空港の入国審査カウンターからは、発熱や目の充血といったエボラウイルス病の症状を紹介する大きなポスターが見える。

 隣国からウイルスの脅威が迫っていることを受け、ルワンダは昨夏、国境での検疫を強化した。

 コンゴ民主共和国のゴマからルワンダに至る陸路は、両国にとって輸出入のルートにあたり、平時は人々の往来がある。

 当時、ルワンダ側の緊張感はかなり高かったそうだ。エボラウイルス病は、新型コロナウイルスを上回る高い致死率を示しているためだ。

 空港での検疫であれば全入国者を把握できるが、陸上の国境管理は困難が伴う。

 車で幹線道路を通ってルワンダに入国する場合は、国境の検問所があり、検疫も実施できる。国境の検問所には検査機器が配置され、医師や看護師らが派遣された。

 しかし、国境は目に見えない。サブサハラ・アフリカの農村で暮らす人たちは、自由に国境を越えて、隣国に農産品や木炭などを売りに出かけたりする実態がある。

 さらに対応を困難にしたのは、紛争だ。

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