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小島寛明の「規制とテクノロジー」第34回

仮想通貨が好調も先行きは不透明

2019年08月05日 09時00分更新

文● 小島寛明

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 大手証券の四半期決算で、仮想通貨(暗号資産)関連の事業が好調だ。

 SBIホールディングス傘下の暗号資産交換業者SBI VCトレード(SBIバーチャル・カレンシーズから名称変更)は2020年3月期第1四半期の決算で、22億700万円の税引前利益を計上した。

 GMOフィナンシャルHDも仮想通貨関連の事業が好調で、6月の取引高が過去最高になったという。仮想通貨事業は201%増収で、5.5億円の利益を計上している。

 傘下にコインチェックがあるマネックスグループの2020年3月期第1四半期決算でも、クリプトアセット(暗号資産)事業が四半期で初めて黒字になった。同事業の利益は1.4億円だった。

 SBIホールディングスの北尾吉孝社長は2019年7月30日の決算説明会で、「デジタルアセット関連で今回、かなり大きくもうかるようになってきた。クリプトアセットの方は底をついたかなあと。まだ、そんなに上がってきているわけではないですけれども。そこそこ底をついて、ダウンターン(下降)からアップターン(上昇)に向かいはじめて来ている」と述べている。

●2月以降の急上昇が増益要因に

 たしかに、2019年1月から6月にかけて、仮想通貨の価格はぐんぐん上昇した。

 交換業者ビットフライヤーが公表している毎日のデータを見ると、1月1日の終値は約41万9千円だった。

 2月7日には、36万円台まで値を下げている。仮想通貨バブルが起きた2017年末には220万円台にまで上昇したことを振り返ると、当時の6分の1を下回る水準にまで落ち込んだことがわかる。

 しかし、2月以降は上昇が続き、6月26日に約139万円を記録している。単純に、2月7日に1BTCを買った人が6月26日に売却したら、半年足らずで100万円もうかったことになる。

 直近の8月1日の終値は111万円台だった。

 この急上昇に乗る形で、国内の交換業者の取引高も一気に増加したようだ。

 GMOフィナンシャルHDによれば、傘下の交換業者GMOコインの売買代金は1〜3月は低迷していたが、4月以降、一気に上昇。3月の売買代金は1680億円だったが、6月の売買代金は1兆7930億円に跳ね上がっている。

 仮想通貨価格の上昇で、マイニングの収益性も改善しているようだ。マイニングを手掛けるSBIクリプトは、2020年3月期第1四半期に8億4400万円の税引前利益を計上した。SBIクリプトの事業は前年同期には3億8300万円の赤字だった。

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