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今日のPickUpワードは「ポケモンGO騒動」。大変なことになっています。
写真:ポケモンがIngressと融合!? スマホ向け「Pokemon GO」発表
ナイアンティックが開発したスマホゲーム「ポケモンGO」が大騒ぎです。
オーストラリアとニュージーランド、アメリカで先行配信を開始してから爆発的に大ヒット。毎日のようにとんでもない話題が飛び込んできています。流れを追ってみましょう。
任天堂は時価総額は3兆円に
調査会社Sensor Towerによれば、ポケモンGOは配信開始以来、米国だけで少なくとも750万ダウンロード(iOS/Android合計)を達成。1日あたりの売上はiOSだけで160万ドル(約1億6000万円)に達しているといいます。(Forbes)
12日の東京株式市場ではポケモンGO効果を受けて任天堂株が続伸。株価は一時前日比2785円(13.7%)高の2万3045円と年初来高値を更新し、時価総額はおよそ8ヵ月ぶりとなる3兆円の大台を回復しています。(日本経済新聞)
分析会社SimilarWebによると、「ポケモンGO」のデイリーアクティブユーザー数(DAU)は、Twitterとほぼ同等とのこと。(ロイター)
ストリーミングサービスSpotifyでは、ポケモンGO効果か、ポケモン関連ソングが急浮上。米国版ポケモンテレビアニメ主題歌「Gotta Catch ‘Em All(ポケモンゲットだぜ!)」は、再生回数362%の上昇を記録しました。(Forbes)
ツイッターでは先週末から、セントラルパークやフロリダ国際大学などで人々が群れをなしてポケモンを探している姿が続々と投稿されました。たくさんの人々が一斉にスマホを見つめながら歩く姿は異様で楽しそうです。
オーストラリアでは12日、ついにゲームサーバーがダウンする事態が発生。画面を見ながらポケモン探しに夢中になる人も続出し、警察が身の安全や不法侵入の恐れについて注意を促す異例の事態となりました。(AFP)
ポケモンGOを使った強盗事件が発生
一方、負の影響も。ツイッターでは「ミュウツーを捕まえようとしてハイウェイに乗り出す集団がいたぞ」という悪質な冗談の投稿が登場しました。
米ミズーリ州では10日、「ポケモンGO」ユーザーが強盗被害に遭ったとして、現地警察が注意を呼びかけました。ポケモンGOの「ビーコン」というソーシャル機能を使い、特定の場所に呼び出したものだといいます。(ロイター)
さらには利用者がポケモンを追って立ち入り制限区域に入ってしまうことを危惧して、複数の施設で「ポケモンGOをしないように」という呼びかけも。
ワシントンにあるユダヤ人大量虐殺の犠牲者を慰霊するホロコースト博物館、オランダのアムステルダム大学(University of Amsterdam)付属病院AMCがそれぞれ利用者に呼びかけています。(ワシントン・ポスト、AFP)
米西部ワイオミング州では、シェイラ・ウィギンズさんという19歳の女性が「水生ポケモンを捕まえよう」と自宅近くの川に向かい、ポケモンではなくうつ伏せになった男性の遺体を発見する珍事も発生しました。(CNN)
アプリストアにはウイルスを仕込まれた偽「ポケモンGO」があらわれ、セキュリティー会社マカフィーが注意喚起する状態になりました(アスキー)。
Googleアカウントフルアクセス問題は解決へ
ソフトそのものにセキュリティー上の問題があったことも話題になりました。
iPhoneでポケモンGOのログインにグーグルのアカウントを使用した場合、アカウントに「フルアクセス」できる権限を取得してしまう問題が現地時間11日、利用者の指摘により発覚。ナイアンティックは同日中に対応を表明しました。(CNN)
米民主党アル・フランケン上院議員は同12日、ユーザーの個人情報の保護状況について説明するよう開発元ナイアンティックに要求しています。(ロイター)
状況は現地時間12日更新の「バージョン1.01」で改善。ベータテストユーザーによればアップデートによって全体的な安定性も改善されているということ。
そのほかにも、
・ニュージーランドでギャングの本部がポケストップに指定
・ISISの占拠地でポケモンを発見した
・The Vergeの質問に答え、NASAが宇宙でポケモンGOはできないと回答
・ポケモンGOが使っているメートル変換方法の検索が急上昇した
・ドローンにスマホをつけてゲットさせる猛者があらわれる
など珍事件が次々発生。たった1本のゲームが世界を変えるほどのインパクトをもつとは、「スーパーマリオブラザーズ」以来の衝撃ではないかと思います。
ポケモンGOは日本でも今月中に配信開始の予定。事故やトラブルに巻き込まれないよう、始める前に知っておくべき点がいくつかあります。
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