キャッシュレス時代が来て以降
財布を持たない、もしくはミニマム化に模索する日々
キャッシュレス時代が本格化してから、筆者は財布を持たない生活を憧れ目指してきた。おサイフケータイ、PayPay、Visaのタッチ決済、EVERINGと、支払いの道具は増える一方だ。普段使っているGalaxy Watch Ultraにも決済機能があるので、これだけ武装すれば紙幣も小銭も追放できると思っていた。
しかし下町のなじみの中華料理店や昭和な喫茶店では、今も現金の出番を待っている。現金をゼロにできないなら、せめて財布を小さくしよう。そんな長~い悪あがきの末に半年前に衝動買いしたのが、LastDrip Designsの「本ヌメ革 牛革 ミニ財布」。メーカーが言うところのスマートウォレットだ。スマホと通信する気配はないが、今の筆者のライフスタイルとの接続はなかなか良い。
筆者の財布選びは、決して一直線の小型化ではなかった。長財布から二つ折り、小銭入れ、マネークリップへと、現金との距離を測りながら行ったり来たりだ。キャッシュレス時代の初期にはメインのクレジットカードを1枚に絞り、物理的なポイントカードもゼロにした。収納物は減らしたはずなのに、財布選びという宿題だけはずっと残った。
しばらく使ったのは茶色いクレジットカードサイズの財布だ。カードと現金を小さな面積にまとめられるのは魅力だったが、小さくするほど出し入れには手間が掛かる。ポケットの中では優等生でも、会計の場では必ずしもそうではない。ここで筆者は、最小サイズへの執着を少し緩めることにした。
長く愛用した銀座オーソドキシーの黄色いリザードのオートクチュール財布は、紙幣を二つ折りで収めるよくあるデザインだが、ジッパーの開き方の回り込みが超秀作だった。その後は小銭入れに紙幣を何度も折って押し込み、身軽さを追求した。今回の製品は、あの二つ折り財布と小銭入れを足したような存在だ。遠回りした末に、慣れ親しんだ寸法へ戻ってきた気もする。
マネークリップとコインホルダーで済ませる作戦も試した。紙幣と小銭を別々の道具に託せば、財布そのものは不要になる。しかし、必要な現金が消えるわけではない。筆者が求めていたのは、財布を持たないという達成感より、支払いの場でまごつかない身軽さだったようだ。これが一気に加速するとバケツがま口のような大型財布に一直線かもしれない。
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