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藤子キャラが集まるゲーム、また来ました
こんにちは。ファミリーコンピュータと同い年、ゲームとガジェットを愛するASCII編集部のオールドルーキー、西川と申します。私の趣味はゲーム収集で、メガCDの全タイトル(116本)とXbox 360の全タイトル(725本)をコンプリートしています。
私と同世代のゲーマーには、夏が近づくと急に「ぼくのなつやすみ」を遊びたくなる人が一定数いるのではないでしょうか。セミが鳴き始めた瞬間、頭の中にラジオ体操と昆虫採集と絵日記が押し寄せてくる。これはもう季節性のゲーム欲です。
私の家ではレトロゲーム機がいまだ現役なので、その気になれば「ぼくなつ」を棚から取り出して遊べます。しかし、昔のゲーム機は実家の押し入れ、ソフトは段ボールの奥、そもそも引っ越しのときに処分したという人も多いはず。夏休みを始める前に実家の大捜索から始めるのは、少々ハードルが高すぎます。
そんな大人におすすめしたいのが、Nintendo Switchで遊べる「なつもん! 20世紀の夏休み」です。「ぼくのなつやすみ」シリーズを手がけたミレニアムキッチンが関わっているだけあり、町の人との交流、昆虫採集、魚釣り、夏休み特有の少し寂しい空気まで、こちらが欲しかった成分がきっちり入っています。
「ぼくなつ」がオープンワールドになったらこうなる
「ぼくなつ」が絵本のような2Dの背景を移動する作品だったのに対し、「なつもん!」の舞台は地域全体が3Dで作られたオープンワールドです。道を歩き、山へ入り、屋根へ登り、気になった場所へそのまま向かえる。プレイ中の感覚は、かなり大胆に言えば「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」風です。
主人公はグライダーで空を飛び、壁や岩に張り付いてグイグイ登ります。昭和の子どもがそんな動きをして大丈夫なのかという疑問はありますが、主人公はサーカス団の団長の息子。屋根の上を爆走していても、「まあ、サーカスの子なら……」と妙な納得感があります。便利な設定です。
昔ながらの夏休みゲームで移動を現実寄りにしすぎると、山へ行くだけで日が暮れてしまいます。崖を登り、空を滑り、町を縦横無尽に突っ切れるくらいが遊びやすい。田舎の景色を眺めながら目的地へ一直線に飛んでいく爽快感は、懐かしさだけでは終わらない「なつもん!」ならではの魅力です。
大人が忘れた「何もしなくていい時間」
野山を駆け回って虫を捕まえる。釣り糸を垂らす。地元の子どもたちと遊び、町の住人に声をかけ、気になる建物をのぞいてみる。ゲーム内では毎日さまざまな出来事が起こりますが、全部を完璧にこなす必要はありません。
今日は魚釣りだけで終わってもいいし、意味もなく高い場所を目指してもいい。夕方になったら町へ戻り、晩ご飯を食べて一日が終わる。締め切り、未読メール、会議の予定に追われる生活とは正反対です。大人になって失ったのは長い夏休みではなく、「今日は虫を捕ったのでヨシ」と思える精神なのかもしれません。
現代社会に疲れた人の逃げ場所として、これほど健全な場所もありません。南の島でサバイバルを強いられるわけでも、世界を救う使命を背負わされるわけでもない。やることはあるけれど、何をするかは自分で決められる。そんな緩さがありがたいのです。
夕焼け島では、夏休みがもう少し続く
このパッケージには、追加コンテンツ「ゆうやけの島とラジオ局」も収録されています。新たに訪れる夕焼け島では、本編とは雰囲気の異なる冒険が待っており、謎解きダンジョンにも挑戦できます。
本編の町で昆虫採集や魚釣りを満喫したあとも、別の島を探検できるのはかなりうれしいところ。のんびり過ごす夏休みと、少し冒険寄りの島巡りを一本で楽しめます。夕焼け島という名前もいい。大人は「夕焼け」と聞いただけで、なぜか帰りたくない気持ちになります。
昔の『ぼくなつ』をもう一度遊びたいけれど、ゲーム機を引っ張り出すのは大変。そんな人にとって、『なつもん!』は懐かしさを再現する代用品ではありません。あの頃の夏休みを、オープンワールドという今の遊び方で作り直した作品です。
今年の夏も長期休暇は取れないかもしれません。それでもSwitchを起動すれば、そこには野山と海と虫と魚が待っています。せめてゲームの中くらい、屋根の上を走り、グライダーで学校を飛び越え、夕飯まで好き勝手に遊びましょう。
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