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企業や研究機関向け、共同PoCを含む伴走支援でユースケース開拓を目指す

IOWNによるGPU分散インフラ「GPU over APN」実証環境を開放 NTTドコビジが全国8拠点をつなぎ提供

2026年07月07日 10時30分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 NTTドコモビジネスは、全国に分散配置されたGPUリソースを統合的に活用できる実証環境「GPU over APN Testbed」を、2026年7月6日より提供開始した。

 同基盤では、全国8か所のデータセンターに分散されたGPU環境と100Gbps級の「IOWN APN」を用いて、自組織のAIワークロードを検証できる。これまで同社が「GPU over APN」として推進してきた実証実験を、企業や研究機関、パートナーに広げるもので、同環境を起点として分散GPUのユースケースを開拓していく狙いだ。

 NTTドコモビジネスのイノベーションセンター IOWN推進室 担当課長である野山瑛哲氏は、同環境について「我々だけの検証成果だった“離れたGPUをひとつに束ねる技術”を、顧客のユースケースで試せる場を提供する」と説明した。

NTTドコモビジネス イノベーションセンター IOWN推進室 担当課長 野山瑛哲氏

やむを得ない・あえての分散需要に対応する「GPU over APN」

 今回の実証環境の前段となる「GPU over APN」とは、低遅延・高速大容量通信を特徴とする「IOWN APN(All-Photonics Network)」で複数のデータセンター間をつなぎ、分散配置されたGPUの柔軟な活用を実現する取り組みである。

GPU over APNのコンセプト

 同社 イノベーションセンター IOWN推進室 担当部長 エバンジェリストの張暁晶氏は、AIインフラを分散させる背景として、「やむを得ない分散」と「あえて行う分散」という2つの側面があると説明する。

 やむを得ず分散する理由は、GPUサーバーの消費電力急増に伴う電力や設備、冷却能力の確保、GPUサーバー群の重量増への対応といった「インフラの制約」からだ。張氏は、「こうした“物理的な天井”によって、すべてを1箇所に集められない状況が生まれている」と指摘する。

 一方で、あえて分散するのは、障害や災害に対する「事業継続」を強化したいケースや、データ保管場所を管理しながら処理のみを分散させる「データ主権」を担保したいケースが挙げられる。「こうした2つの観点で、分散という選択肢が“新たなスタンダード”になりつつある」(張氏)

NTTドコモビジネス イノベーションセンター IOWN推進室 担当部長 エバンジェリスト 張暁晶氏

 しかし、AIインフラを分散するには、拠点間ネットワークの帯域幅・遅延がボトルネックとなり、ひとつのシステムとして統合的に扱えないという課題があった。この課題に対して、IOWN APNでデータセンター間をつなぐことで解決を図っているのがGPU over APNだ。

IOWN APNにより拠点分散が現実的に

 NTTドコモビジネスでは、これまで主に2つのユースケースでGPU over APNの実証を重ねてきた。

 ひとつは、「GPUサーバー同士を引き離す」ユースケースで、複数のデータセンターで単一のGPUクラスタを構成し、計算処理を実施するものだ。実際に、100GbpsのIOWN APNを利用することで、単一データセンターでのLLM(70億パラメータ規模)の学習時間と比較して、分散環境でも「1.005倍」とほぼ同等の性能を発揮できることを確認しているという。

 もうひとつは、「GPUとストレージを引き離す」ユースケースであり、他拠点に置いたストレージから、高速なデータの読み書きを実施するものだ。こちらも、IOWN APNを活用することで、拠点から移動させられない機密度の高いデータを、コピーせずに直接読み書きできることを確認している(関連記事:複数DCに分散設置したGPUクラスタで生成AI学習、NTT ComがIOWN APNで実証に成功)

GPU over APN ユースケース

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