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「Interop Tokyo 2026」アスキー全力特集!

「Interop Tokyo 2026」AMD基調講演レポート

“何でもGPU”時代の終焉 AMDとトヨタシステムズが指摘する「AIワークロードへの理解」

2026年06月19日 11時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 AMDが国内のインフラ関係者が集う「Interop Tokyo」の場でAI戦略を語るのも、今年で3年連続になる。日本AMDの代表取締役社長であるジョン・ロボトム氏は、「『(AIインフラにおける)AMDの認知度が上がってきた』と顧客から言われる機会が増えた」と語る。

日本AMD 代表取締役社長 ジョン・ロボトム氏

 今年の基調講演には、AMDのコーポレートVP(エンタープライズビジネスグループ)を務めるデレク・ディッカー氏が登壇。トヨタシステムズでシミュレーションインフラを担当する越戸賢司氏をゲストに迎え、AIインフラのコスト増に対して、「自社のワークロードを理解することが重要」だと訴えた。

4つフォーカスエリアを通じて業界課題を解決する

 冒頭ディッカー氏は、AMDにおける4つの戦略の柱について説明した。

AMD コーポレートVP エンタープライズビジネスグループ デレク・ディッカー氏

 1つ目は、すべての戦略の基盤となる「シリコンテクノロジー」だ。これまで同社は、高性能なシリコンを製造し、先進的なパッケージ技術でそれをデバイスへと昇華してきた。今後もCPUやGPU、ネットワーキング、FPGAなどを中核に、コンピューティング技術におけるリーダーシップを拡大していく。

 2つ目は、「データセンター」だ。同領域のビジネスは好調で、2026年第1四半期の売上は100億ドルを突破している。クラウドからエンタープライズまで幅広くカバーし、さらには2026年内後半には、ラックスケールのアーキテクチャも投入する。

 3つ目は、「オープンな基盤」だ。ソフトウェアやコンポーネント、システム間の相互互換性にわたり、「すべてのレイヤーでオープンなイノベーションを実現できるのは我々だけ」(ディッカー氏)と自信を覗かせる。

 最後は、「あらゆるところでAIを加速させる」ことだ。コアとなるデータセンターだけではなく、昨今注目を集めるフィジカルAIに至るまで、あらゆる場面でのAI活用を促進するソリューションを展開していく。

AMDの4つのフォーカスエリア

 こうした戦略を基に、顧客が抱える業界特有の課題を、パートナーと共に解決していく ―― これこそが同社のAIインフラ戦略の根幹である。

半分以上のCPUをAMDに入れ替えたトヨタシステムズ

 続いて、オールトヨタのシミュレーションインフラの構築・運用を担うトヨタシステムズの越戸氏が登壇。実際に直面している課題について明かした。

 越戸氏がまず言及したのが、シミュレーションを活用する業界における大きな変化だ。

 自動車業界でいうと、開発対象の車種は多様化し、各国の法規制も複雑化の一途をたどっている。それに伴い、ひとつの現象を掘り下げる「単一解析」の規模は拡大し、複数の現象の相互作用を考慮する「連成解析」では、求められるハードウェアのスペックが複雑化している状況だ。

 さらに、パラメトリックスタディに代表される小規模計算を繰り返す手法では、一時的に数万コア単位の莫大な計算リソースが消費され、その結果を機械学習させるには専用のGPU環境が必要なケースもあるという。

トヨタシステムズ シミュレーションサービス部 HPCインフラG GM 兼 シミュレーションR&D部 Expert of Simulation 越戸賢司氏

 こうしたシミュレーションを取り巻く変化において、越戸氏は2つの問題点を挙げる。

 ひとつは、「計算リソースのムダ」だ。異なる特性を組み合わせる連成解析では、同一環境での解析実行が必要になる。そのため、8コアで解析と256コアの解析の連成の場合、前者の解析中に“248コアが待機状態になる”という事態が発生する。越戸氏は、「ハードウェア仕様が考慮されない解析によって、コストが増加している」と指摘する。

ハードウェア仕様が考慮されない解析が増えている

 もうひとつが「計算リソースの調達」の問題だ。極端な解析量の変化に伴い、オンプレミスだけではリソースのムダが発生し、クラウドでは準備出来る保証がない状態に陥っている。

 リソースを最適化する上で、越戸氏が主張するのが「解析のプロファイリングを取得する」ことである。それは、シミュレーションだけではなく、AIでも重要だという。「中身が不透明では、どこで問題があるか把握できず、最適な環境も作れない。要求されるスペックは解析の特徴ごとに異なり、CPUひとつとっても各社で仕様が異なり、選択すべきSKUも変わる」(越戸氏)

 実例として、ディスクI/Oが増加したある解析において、プロファイリングから「高頻度でSWAPが発生しているが、SWAPで利用している量は少ない」という情報を得られたことで、メモリ増強で解決できたという。

スペックだけ見ても解決には至らなかった

 加えて、トヨタでは元々IntelのCPUを中心に使用してきた。ここでもプロファイリングがきっかけで、AMDのCPUが最適なケースがあることが判明。実際にAMDに変えただけで、3倍高速化した実例もあるという。越戸氏は、「毎年利用を増やすうちに、今は半分以上がAMDに置き換わっている。結局は、何が自分たちの業務に最適かを考える必要がある」と強調した。

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