グーグルが開催したイベント「Google I/O 2026」の会期2日目に、Google本社では「I/O総括:リーダーシップの視点から見る次の展望」というテーマでパネルディスカッションが開催されました。
舞台にはグーグルの親会社であるAlphabetのCEO、スンダー・ピチャイ氏のほか、Google検索の責任者であるリズ・リード氏、そしてAIの研究開発機関であるGoogle DeepMindのCTO(最高技術責任者)兼 GoogleチーフAIアーキテクトのコレイ・カヴクチュオール氏が登壇しました。
各氏によるディスカッションと、その後に設けられた質疑応答から見えてきた今年のGoogle I/Oの成果と、ピチャイ氏による「次の新しいPixelデバイス」に関連する発言をピックアップします。
Geminiがエージェント型AIに大きくシフトした
このパネルディスカッションを通じて最も強調された成果は、独自のAIであるGeminiが情報を調べて提示する段階から、ユーザーとコミュニケーションを交わしながら、実際の行動に起こす「エージェント型AI」に進化したことでした。
ピチャイ氏は、グーグルがミッションに掲げる「世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて、使えるようにする」ことについて触れ、次のように述べています。
「私たちは10年前にAIファーストの企業になるという方針を打ち出しました。現在、技術は目覚ましい進歩を遂げており、それをいかに多くの人々に利用可能な形で提供するかが重要になっています。今回発表したGemini 3.5 FlashのようなAIモデルが重要である理由は、そこにあります。このモデルを当社のプロダクト全体に導入することで、AIは人々の日常生活における有意義な事柄を支援する強力なアシスタントになります」
検索機能の変革について、リード氏は技術の進化がユーザー体験をどのように変えるのか、次のように説明しました。
「従来の検索は、単発のキーワードによる検索に頼らざるを得ず、頭の中にある知りたいことをそのまま質問することができませんでした。私たちは、情報空間において満たされていないユーザーのニーズを見極めて、それを解き放つ方法を常に模索してきました。AIエージェントの導入により、連続する複雑なタスクの解決が容易になります」
記者から「今年のGoogle I/Oの手応え」を聞かれたピチャイ氏は次のようの総括を述べています。
「今年のイベントでは、当社が製品全体にわたるエージェント型AIの基盤を築いたことをお伝えしました。情報検索は単発の行為から、継続的にAIとのコミュニケーションを行なう段階に移り、そして、AIが実際に役立つ行動をユーザーに返すことで、生活を便利にする段階に進化しています。これから5年後、10年後に現在を振り返った時、2026年のI/Oが大きな節目の機会であったことがわかるはずです」
今年のGoogle Pixel新製品の登場は秋? アップルとの関係は?
グーグルによる最先端のAI技術は、遠い未来のコンセプトではなく、次々に実装段階に入っています。私たちはいつ、どのようにGeminiに関連する新しい技術に触れることができるのでしょうか。
ピチャイ氏によれば、新しい基盤モデルである「Gemini 3.5 Flash」は、すでにGeminiアプリや検索機能において、世界中のユーザー向けのデフォルトモデルとしてロールアウトしています。
「この3.5 Flashモデルは、わずか数ヵ月前の最上位モデルよりも優れています。私たちは技術を進歩させると同時に、それを数十億人の人々に提供しています」とピチャイ氏は胸を張ります。
記者からは、グーグルのAIが日常により深く統合されるためには、ハブとしてのスマートフォンの役割がますます重要になると思うか、という質問が投げかけられました。ピチャイ氏は次のように答えています。
「スマートフォンは引き続きユーザー体験の中心です。私たちはAIの進化をスマートフォンに導入することに注力しています。先週開催されたAndroidのイベントでも、Gemini IntelligenceがAndroid全体にどのように組み込まれるかについて説明しました」
ピチャイ氏はさらに、今秋に登場予定の新しいPixelデバイスについて、ハードウェアとAIソフトウェアの連携がさらに深化することを明かしました。
「私たちは多くのパートナー企業と連携していますが、その中には、Androidにおけるフラグシップとして象徴的なモデルであるGalaxyシリーズを手がけるサムスンも含まれます。サムスンとパートナーシップを組めることをとてもうれしく思っています。彼らはGemini Intelligenceの重要なパートナーでもあります」
「そして、秋にはGoogle Pixelをはじめとする、Gemini Intelligenceに対応する新しいデバイスが登場します。次世代モデルの開発が進むにつれて、それがAndroidへのアプローチにも反映され、その取り組みを共有しながら新しいデバイスが登場するという好循環が生まれています。多くの面において、私たちがそこでの体験を牽引する最先端にいると言えます」
質疑応答では、ピチャイ氏が新デバイスの登場を「今秋」と表現したことに対して、参加した記者から「昨年の発表は8月でした。今年は秋になるのでしょうか」と指摘する声もあがりました。これに対してピチャイ氏は「正確な日付は申し上げられませんが、間違いなくこのI/Oと、今年の年末の間になります」とウィットに富んだ答えを返して、場を和ませました。
今年に入ってから、アップルがSiriやApple Intelligenceのバックグラウンドとして、グーグルによるGeminiのインテリジェンスを活用する計画を立てているのではないか, というウワサが聞こえています。ピチャイ氏は、相手の名前を明言することはありませんでしたが、プラットフォームの提供者としてのグーグルの役割について、次のように説明しています。
「私たちは自社で製品を開発する一方で、プラットフォームを提供する事業も行なっています。プラットフォーム提供者としては、さまざまなクライアントと協力しながら、よいものを共創するべき立場にあることを真摯に受け止めています」
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